谷口キヨコ ネコの飼い主歴25年(8)ペットと暮らす幸せと生きがいを高齢者から奪わないサービスが必要

2024年06月04日 13:15

芸能

谷口キヨコ ネコの飼い主歴25年(8)ペットと暮らす幸せと生きがいを高齢者から奪わないサービスが必要
紫陽花(あじさい)の季節になりました。軒先で紫陽花を咲かせてくれている方へ…ありがとうございます、ほんまにいやされます。キレイなお花ってほんまに優しい気持ちにしてくれます。 Photo By 提供写真
 【谷口キヨコのごきげん!?SOLOライフ】猫のお話8回目、最終回です。
 お母さんのところの猫・桃太郎くん。私のところの銀次郎くん。4歳半と11歳半。いきなり悲しい話ですが、最後はどちらも私がみとることになるでしょう。

 銀次郎くんや桃太郎くんが死んだら、次の猫さんをうちに迎え入れるのかどうか…。ぎんちゃんが死んでしまうことなんて考えたくないですが、その日はいつかは来ます。

 確かに、金太郎くんが生きているときは「きんちゃんが世界で一番の猫。ぎんちゃんは二番目」と思っていました。きんちゃんが死んでからも、しばらくは本当にそう思っていたんです。でも今はそうは思いません。「きんちゃんが一番。でも、ぎんちゃんも一番」。それぞれが個性的で全く違う猫さんだし、その違いがそれぞれを一番と思える理由だとも思います。

 個性のある猫さんたちと一緒に暮らすことによって、その違いを受け入れ、それぞれとの暮らしのベストを目指し、成長や年老いていく姿を見届け、看病するときもあり、最後はみとる。猫と共に生きることは、命あるものの一生の縮図を見せてくれているようです。

 ぎんちゃんやももちゃんが死んでしまった後、新しい猫さんを迎え入れるかどうか分からない…。それは私が新しい猫さんの面倒を最後までみられるかどうか…と思うからです。

 こちらがお世話できるときはいいですが、いつかは飼い主と呼ばれる私たちも自分自身が弱って猫さんのお世話ができなくなる日、やがては私たちが亡くなる日を迎えます。

 そんなとき、残された猫たち(もちろん犬や鳥や、いわゆるペットたち)をどうすればよいのか、これは大きな問題です。

 高齢者、特に一人暮らしの高齢者が猫や犬と暮らすと生活の質が向上すると言われています。うちの母を見ていても、それは全くそうで、部屋に一人でいることの多い母にとって、一日中一緒にいてくれる桃太郎くんの存在がどれほどのいやしや活力になっていることか。

 だから、ももちゃんは私ではなく、母にあんなになついているのだと思います。桃太郎くんはもちろんしゃべりませんが、母の話を聞いてくれ、寄り添ってくれ、にゃあにゃあ声を出して意思表示をしてくれます。ももちゃんのごはんやお水やトイレの世話も母にとっては大切な日課です。それが自分の生活のリズムに組み込まれています。

 そんな存在がいるのといないのとでは、現在の母の暮らしにとって、もっと言えば現在の母の生きるということにおいて、全く違うものになると思います。

 高齢者になってから新しくペットを飼うことは虐待にもなる、とあるタレントさんが言うてはりました。もちろん、高齢者が病気になったら誰が世話するねん、もっと言えば本人死んだら誰がペットの面倒みるねん!と。それはほんまにそうなんです。引き取り手がなくて残酷な結末を迎えることになる動物も確かにいます。

 でも、だからと言ってペットと暮らす幸せを高齢者から奪うのは…たとえば犬と散歩できなくなれば、それを代わりにやるサービスが必要になるだろうし、入院したらその間、預かるサービスも必要かもしれません。そして飼い主さんが亡くなれば、誰かがペットの生活自体を引き継ぐことがもちろん必要でしょう。

 これまでそんなことは親戚や身内や、もしかしたら近所の人がやってきました。が、今は周りにそういう人たちがいない場合がたくさんある…。そんなことが提供できる会社や制度が必要やと思います。

 これまで必要なかったものが必要になってくる。これまでになくてよかったものがあった方がよくなる。社会の変化によって大きく変わることの一つだと感じるのです。ペットと暮らすことが高齢者にとってのハッピーを向上させるなら、こんなサービスは必要になると思います。

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