【大学スポーツ】スポーツ法政新聞会
法政大学【対立大1回戦】クローズアップ 長谷川裕也投手
2017年04月17日 05:30
野球
先週体調不良によりベンチ入りが叶わなかったリベンジを果たした。初回から不安定な投球を披露していた熊谷が四球で一人ランナーを出した場面で長谷川裕也(経4)は登板した。味方の守備の乱れで同点を許す不運もあったが、3イニングを無失点の好投。乱打戦の様子を見せた試合を落ち着かせた。
球速だけが全てではない。そんなことを思い知る長谷川の投球だった。直球は常に120キロ台。しかし、打球はかなり差し込まれていた。熊谷の140キロ台後半の球に目を慣らせていたために、全くタイミングが合わない。アンダースロー独特の浮いてくる球に苦戦した。彼の後、マウンドに登った菅野は熊谷同様速球派の投手。立大打者は球速以上に速く感じただろう。長谷川がマウンドを降りても菅野のピッチングを影ながら好影響を及ぼした。
「今年はしっかり打者を観察して投球を組み立てるようにしてる」と本人は語る。立大は長谷川の直球に狙いを絞っていた。そこで、通常より早いモーションから長谷川が投じたのはスローカーブ。神宮のスピードガンが計測できなかったほどの遅さを記録した。緩急を効果的に使い、高めの直球が活き、相手打者を手玉に取った。
「優勝したい」と目標を語った法大のサブマリンも最上級生となった。速球派の先発が多い法大投手陣のなか、変則投手は貴重な戦力だ。今年3月の第4回WBCでは、牧田和久(埼玉西武)を小久保監督は「困ったときの牧田」と評していた。「困ったときの長谷川。」と言われるくらいの結果を残したとき、自然とチームも下から上がってくるに違いない。(スポーツ法政新聞会・藤原陸人)