著作物の権利問題、デザイン業界でも横行 山﨑晴太郎氏「自分の子供だと名乗れないのはつらい」

2024年02月03日 23:06

芸能

 国交省や法務省など有識者会議検討委員を歴任した、アートディレクターの山﨑晴太郎氏が3日、TBS系「情報7daysニュースキャスター」(土曜後10・00)に生出演し、著作物の権利について自身の考えを示した。
 昨年10月期に日本テレビ系でドラマ化された漫画「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が先月29日、栃木県内で死亡しているのが発見された。26日に更新した自身のX(旧ツイッター)で、脚本をめぐり局側と折り合いがつかず、自らが9、10話の脚本を書くことになった経緯を説明。当初提示していた「漫画に忠実に描く」などの条件がほごになっていたと明かしていた。

 この問題を受け、原作の映像化などについて、ファンはもちろん、漫画家や小説家、脚本家、元テレビマンらが、様々な立場や経験からSNSなどで議論を展開している。

 著作権と密接な関係にあるデザイン業界で働く山﨑氏は、「作り手の権利っていろんな業界で守られていないことが多くて、契約を結ぶんですけど、デザイン業界は著作権は基本的には渡す」と、業界の慣習について指摘。原作者が、原作を保護できるよう定めた「著作者人格権」についても「著作者人格権は渡せないんですけど、“著作者人格権を行使することを禁ずる”みたいな条項なんです。ほぼ存在してない状態で、契約を結ぶケースが多い」と問題視した。一方で、「戦うと仕事をもらえなくなるので、結ばざるを得ないということが横行している」と、泣き寝入りの状態だという。

 自身が手塩にかけて生み出したものにも、契約を結ぶ際には権利がほぼ発生しない状態にされてしまう状況。「今回の話もそうですけど、自分の魂を込めた子供みたいなところもあるので、それを評価してもらって次の仕事が広がっていったりする中で、自分の子供だと名乗れない、親だと名乗れないというのはつらいところがある」と嘆いていた。

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