前田敦子の覚悟「役者は一生葛藤する仕事」 主演映画で性被害のトラウマ抱えて生きる女性役

2024年02月03日 05:00

芸能

前田敦子の覚悟「役者は一生葛藤する仕事」 主演映画で性被害のトラウマ抱えて生きる女性役
映画「一月の声に歓びを刻め」に主演した前田敦子 Photo By スポニチ
 女優の前田敦子(32)が主演映画「一月の声に歓びを刻め」(9日公開)で、過去に性被害を受け、トラウマを抱えて生きる女性を演じている。
 「依頼を受けるか1カ月悩んだ」のは、メガホンを取った三島有紀子監督(54)の実体験を基にした作品だったから。大阪・堂島の街を歩きながら、初対面の男に過去を打ち明ける場面は監督が被害に遭った場所。「前日に監督と現場を訪れ、何が起きたのか聞きました」

 性暴力は「魂の殺人」とも呼ばれ、被害者を苦しめ続ける。近年、性加害を受けたという人の告白が相次いでいる。「監督は47年間事件に向き合い続けた。かわいそうと同情するのではなく、公にした勇気に目を向けてほしい。生き抜いていくんだという強さがある」と力を込めた。

 不動のセンターを務めたAKB48を2012年に卒業。14年に黒沢清監督とタッグを組んだ映画「Seventh Code」が転機になった。「撮影はOKの声がかかるけど、役者は一生これでいいのかと葛藤する仕事」と覚悟を決めた。30歳を前に大手事務所から独立し、社長業も兼務する多忙な日々。癒やしは4歳の息子との時間で「喜怒哀楽に一直線の息子を見ていると、本来の人間の姿を思い出す」と表現にも生かされているよう。「自分を信じること。もっといろんなジャンルに挑戦したい」と未来を見据えた。(西村 綾乃)

 ◇前田 敦子(まえだ・あつこ)1991年(平3)7月10日生まれ、千葉県出身の32歳。AKB48で2006年2月にCDデビュー。07年に映画「あしたの私のつくり方」で女優始動。

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