映画「ロッキー」アポロ・クリード死す 米俳優カール・ウェザースさん76歳で

2024年02月04日 04:50

芸能

映画「ロッキー」アポロ・クリード死す 米俳優カール・ウェザースさん76歳で
映画「ロッキー」の1場面。アポロ・クリードを演じたカール・ウェザースさん(右)。左は主演のシルベスター・スタローン(United Artists/Getty Images)    Photo By ゲッティ イメージズ
 ボクシング映画の金字塔「ロッキー」シリーズで主人公の宿敵アポロ・クリード役を演じた米俳優カール・ウェザースさんが1日、米西部ロサンゼルスの自宅で死去した。76歳。死因は公表されていない。
 家族が声明を発表。「安らかに眠りながら亡くなった。カールは並外れた生涯を送った、非凡な人だった」と伝えた。

 ウェザースさんは1948年、南部ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。プロフットボールNFLレイダーズなどでプレー。74年に引退し、俳優に転身した。ボクシング経験はなかったが、76年公開の「ロッキー」で世界チャンピオン、アポロ役を演じて世界的に脚光を集めた。ウェザースさんは生前「公開前は街を歩いても単なる通行人だったが、それが公開されてから一変した。こんなことがあるのかって驚きと衝撃だった」と振り返っていた。

 アポロはムハマド・アリさんがモデルとされる。派手で荒々しい無敵のヘビー級王者として、シリーズ1作目から85年公開の4作目まで登場。最初はロッキーの敵役だったが、死闘を通じて心を通わせていった。最後はソ連(当時)のイワン・ドラゴに打ちのめされ、リング上で壮絶な死を遂げた。

 ロッキー役のシルベスター・スタローン(77)は自身のSNSに動画を投稿。「信じられないほど悲しい日だ。心が引き裂かれて、言葉が出ない」と吐露した。無名の役者時代に自ら脚本を執筆した、映画史に残る作品。「ロッキーの偉業は、彼抜きには語れない。声、体格、パワー、運動能力。中でも彼のハートと魂は本当に素晴らしかった。彼の存在はまるで魔法のようで、人生を共にできてとても幸せだった」と故人を称えた。

 「ロッキー」シリーズでブレークしたウェザースさん。その後も映画「プレデター」(87年)や、スター・ウォーズのドラマシリーズ「マンダロリアン」(19年~)などに出演。スタローンは「(天国でも)アポロよ、殴り続けてくれ」と右拳を上げて盟友を追悼した。

 カール・ウェザース 1948年1月14日生まれ、米ルイジアナ州ニューオーリンズ出身。映画「未知との遭遇」(77年)などに出演。米オリンピック委員会の委員としても活動した。

 ▽ロッキー 無名ボクサーのロッキー・バルボアが強大な敵に立ち向かい自己を証明する物語。3億円という低予算ながら、76年に公開されると世界興行341億円を記録。77年アカデミー賞で作品賞など3部門を受賞。シリーズは計6作。日本でも映画のテーマ曲がスポーツイベントの定番曲となり、俳優の赤井英和がプロボクサー時代に「浪速のロッキー」と呼ばれるなど大きな影響を与えた。

 ≪シュワちゃん「彼はいつだって伝説だ」≫「プレデター」に主演したアーノルド・シュワルツェネッガー(76)は「カール・ウェザースはいつだって伝説だ。並外れたアスリートであり、素晴らしい俳優であり、偉大な人間。彼がいなければプレデターは作れなかった」と感謝した。多くの肉体派スターと共演したウェザースさんはかつて「マッチョな男と認識される俳優たちと一緒に仕事できて幸運だった」と語っていたこともあった。

 ▼ドルフ・ラングレン(「ロッキー4」イワン・ドラゴ役)今朝のニュースを聞いて悲しくなりました。彼は素晴らしい俳優であり、素晴らしいアスリートであり、良き友人でした。仕事でもプライベートでも、カールには特別な思い出がたくさんある。アポロ・クリードのように、彼にはいつも笑顔をもたらす特別な魅力があった。

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