【箱根駅伝】青学大3区スーパーラン太田支えた“耐久距離条件付き新兵器”「僕にとってはドンピシャ」

2024年01月03日 20:30

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【箱根駅伝】青学大3区スーパーラン太田支えた“耐久距離条件付き新兵器”「僕にとってはドンピシャ」
<箱根駅伝往路 戸塚中継所>3区・太田(右)にたすきをつなぐ青学大の2区・黒田。2人のシューズが注目を集めた(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 アディダス社の秘密兵器が大学駅伝界のシューズにさらなる革命を起こすかもしれない。
 2日に行われた第100回のメモリアル大会往路の3区。連覇と2季連続3冠を狙う駒大の佐藤圭汰(2年)を捉えた青学大・太田蒼生(3年)の足元にはアディダス社の「ADIZERO ADIOS PRO EVO1(アディゼロ アディオス プロ エヴォ1)」があった。力強い走りで22秒前を行く1万メートル学生最速の佐藤を7・6キロで捉えると、18キロ過ぎに置き去りに。そのまま3区日本人歴代最速となる59分47秒のタイムでタスキ渡し。昨年の箱根4区から続く駒大の区間トップ通過を23区間で止めた。

 太田は往路に続き復路優勝を決めた後、前日のスーパーランを支えた“相棒”について「凄く軽くて反発も凄い。クッション性にも優れている」と絶賛。「僕にとってはドンピシャの靴」と語った。担当者には耐久距離について100キロは大丈夫だと言われているといい、来月4日に行われる別府大分毎日マラソンに、今回履いた相棒と初マラソンに挑むことも明かした。そして耐久距離を相棒が終えたら「飾ったり…取っておきます」と笑顔を見せた。

 太田の履く「ADIZERO~」は昨年アディダス社が投入した新作。同社史上最軽量の片足138グラムと驚異の軽さを誇る。昨年9月に行われたベルリンマラソンでは同シューズを履いたティギスト・アセファが女子マラソン世界新記録をマークした。

 驚くべきはその値段と耐久距離だ。1足の値段は82500円。最新の技術に加え組み立てや仕上げは職人によって行われており、生産数は限られている。極限の軽さを出すために中敷きなど無駄なパーツを削られている。そのため耐久距離も「標準的なマラソン距離レース1回分」(事前ウオームアップを含む)を想定。開発には東京五輪女子マラソン金メダルのペレス・ジェプチルチルらトップ選手の意見も取り入れた。

 青学大では他に2区の黒田朝日(2年)も着用し、2年生ながら1時間6分7秒の好タイムをマークし、区間賞を獲得した。

 近年、大学駅伝では「アルファフライ3」に代表されるナイキ社の厚底シューズが覇権を握ってきた。そんなナイキ一強に待ったをかけるかもしれない新たなシューズの登場。選手たちの力走を支える足元の戦いに今後も注目だ。

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