【箱根駅伝】3位城西大 “山の妖精”山本が2年連続区間新 雨中の新伝説 昨年より50秒縮めた

2024年01月03日 04:27

駅伝

【箱根駅伝】3位城西大 “山の妖精”山本が2年連続区間新 雨中の新伝説 昨年より50秒縮めた
3位でゴールする城西大・山本(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 【第100回東京箱根間往復大学駅伝・往路 ( 2024年1月2日    東京・大手町―箱根・芦ノ湖=5区間107・5キロ )】 山の妖精が雨の箱根を駆け上がった。城西大の山本唯翔(4年)は3位でたすきを受け取ると力強いストライドで加速し、昨年より50秒速い1時間9分14秒で芦ノ湖に到着。2年連続区間新記録を樹立。総合3位を目標とする母校を過去最高の往路3位に導いた。
 「区間賞は絶対獲りたい気持ちで1年間誰よりも練習してきた。強い選手がいたけど、上りなら負けない自信があった。周りは気にせず過去の自分に勝つことだけを考えた」と胸を張った。

 箱根の山では1年時6位。前回は1時間10分4秒の区間新。櫛部静二監督(52)が運営管理車から「山の妖精になろうぜ」と激励したことから「山の妖精」の愛称がついた。

 最終学年になり2区を希望した時期もあったが「独特な足のつき方で接地時間が長く、気持ちも強い」と適性を見抜く櫛部監督の説得で3度目の5区に挑んだ。

 前回は足にけいれんを起こして終盤失速した。その教訓から筋力トレ、低酸素トレでパワー、心肺機能を強化。全日本後は記録会を回避し「箱根より傾斜がきつい」大学近くの山で上りに特化した練習をこなした。

 ほぼ同じ距離で行われた05年の順大・今井正人が出した1時間9分12秒を目標に定め、そこには届かなかったが「山の神にはなれなかったけど、記憶に残る走りはできたと思う」と達成感をにじませた。

 故郷の新潟県十日町市は前日に震度5弱の地震に見舞われた。家族は関東に移動しており無事で実家にも被害はなかった。山本は走りに集中し、被災地を思い足に力を込めた。「心配はあったけど、新潟県民に勇気や希望を与える走りができたと思う」とうなずいた。

 今春SUBARUに入社する。「マラソンにチャレンジして五輪で表彰台に上れるように頑張りたい」と山本。妖精はさらに強くなって世界を目指す。

 ◇山本 唯翔(やまもと・ゆいと)2001年(平13)5月16日生まれ、新潟県松代町(現十日町市)出身の22歳。松代中、開志国際高を経て20年に城西大へ。箱根駅伝では1年時に21年5区6位(総合16位)。今季は出雲6区3位、全日本8区5位。1万メートル自己ベストは28分25秒21。卒業後はSUBARU入社予定。1メートル68、51キロ。甘党でメロンソーダ好き。

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