【王将戦】菅井八段 今シリーズ最長95分封じ手 背水も「盤上の格闘家」構え崩さず

2024年02月08日 05:00

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【王将戦】菅井八段 今シリーズ最長95分封じ手 背水も「盤上の格闘家」構え崩さず
正立会人の中村修九段(右)に封じ手を渡す菅井八段(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局第1日 ( 2024年2月7日    東京都立川市・オーベルジュときと )】 藤井聡太王将(21)=8冠=が菅井竜也八段(31)の挑戦を受ける第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第4局は7日、東京都立川市「オーベルジュ ときと」で1日目が始まり、後手菅井が40手目を封じた。戦型は菅井の角交換型振り飛車。藤井の対戦成績3勝0敗で迎え、2日目に藤井が勝てば大山康晴15世名人を抜く新記録、タイトル戦20連覇を達成する。菅井が反撃開始の1勝か、午前9時から同所で指し継がれる。
 40手目の封じ手に、菅井は1時間35分を費やした。第2局の44手目に記録した1時間25分を上回る、今シリーズ一番の大長考。「形勢がよく分からないので、とにかく精いっぱい頑張るだけです」と言葉に力を込め、温泉露天風呂付きで面積106平方メートルの豪華な自室に消えた。

 開局直後はジェットコースターのような展開だった。4手目に飛車を3二に振り、角交換を経て互いに筋違い角を打ち合う。12手目△4七角成(第2図)で盤上に馬が2枚!わずか10分余りの間に強烈な突っ張り合いを見せた両者だが、その後は急転、静かな駒組みに入る。

 双方の馬が互いの敵陣をにらみつつ、奇妙な均衡を保ったまま藤井から飛車交換を打診された本日指了図。その誘いに応ずるか否か。応じた場合、その先をどう進めるか。主導権を握るための最善策は何か。1手も進まない95分間、菅井の頭脳は光速で回転し続けていた。

 格闘技ファンとして知られる菅井。心の英雄は6年前に41歳で夭逝(ようせい)した山本“KID”徳郁さんだ。1メートル63と小柄ながら数々の名勝負を演じたスーパースター。「あの小さな体で自分より大きな選手に勝つ。細かい技術面よりも、リングに獣がいるという感じが好きなんです」と、現在でも心酔ぶりは変わらない。

 菅井自身も熱いスピリットを常に発する「盤上の格闘家」。3連敗して迎えた今局でもファイティングポーズは迫力十分だ。まずは一発、パンチを返したい。

 ≪封じ手は?≫

 ▼立会人中村修九段 △4八飛成。飛車交換の誘いを受けて立つ。それ以外は感触が良くない。

 ▼副立会人戸辺誠七段 △5五歩。本命は飛車成りだが、対抗の一手。

 ▼記録係田中大貴三段 △3二金。将来的に左桂の活用を狙う。

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