藤井王将快挙で注目、大山康晴15世名人とは 10年間、50回連続でタイトル戦出場
2024年02月08日 18:05
芸能
全3冠から全5冠時代に3度にわたり独占を果たし、タイトルの通算期数は80期。王将20期、名人18期を誇った。そして66歳にして棋王挑戦。何より藤井が「途方もない記録」と指摘する、57年度名人戦から10年間、タイトルホルダー、もしくは挑戦者のいずれかで50回連続タイトル戦に出場した。
没後30年余り。今に息づく記録の数々はその強い意志によって実現した。
連続獲得が始まった63年、当時40歳。太平洋戦争に出征したこともあり、藤井に比べると2倍の年齢からスタートした。振り飛車党で、「二枚腰」とも表現された負けない棋風。大山と4度タイトル戦で戦った内藤国雄九段(84)は「息が長く、戦い方の基本が安全に、安全に。長引かせれば勝てると自信があったのでしょう」と振り返る。
少しでも有利になれば早く勝ちたいと思うのが人情。それが焦り、引いては逆転負けの要因になりかねないが「気の緩みが一番少ない棋士。(ライバルの)升田幸三さんや私は酒飲みで、飲み友達が待っているから早く勝って飲みに行きたかった」。ヒット曲「おゆき」がある棋界の元祖二刀流は苦笑いした。
藤井の快挙の数々は往年の大棋士たちの足跡へ光を当てている。