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筑紫女学園大ラクロス部

2018年06月28日 05:30

社会

筑紫女学園大ラクロス部
元気いっぱいの筑紫女学園大ラクロス部 Photo By スポニチ
 【ファイナル進出へカットイン】
 筑紫女学園大のラクロス部は、部員57人で元気いっぱいに活動中だ。今年の目標は、来月29日に開幕する九州学生ラクロスリーグでのファイナル進出。MFの太田美樹主将(4年)を中心に、決勝進出を目指して結束するメンバーの意気込みを聞いた。

 朝練習を行っていた学内にあるテニスコート。取材日は小雨が降り続けていたが、ラクロスは「雷以外は試合をする」という競技でもあり、部員57人は練習に励んでいた。リーグ戦開幕が約1カ月後に迫ってきた。太田主将は「今年の目標はリーグ戦のファイナル進出です。このメンバーなら実現できる目標だと思っています」と力強かった。

 ラクロスは、クロスと呼ばれる先端に網がついたスティックを持ち、ゴム製のボールを奪い合い、相手陣へのゴールで得点を競う競技だ。ポジションはゴーリー(G)、アタック(AT)、ミッドフィルダー(MF、ミディーともいう)、ディフェンス(DF)に分かれる。九州内の高校にはラクロス部がないため、大学では全員が横一線からのスタートとなる。高校時代はバレーボール部だった副主将のMF安恒里沙子(3年)は「みんなで話し合いながら徐々にできるようになった」と振り返る。

 元気いっぱいで活気がある選手たち。「声は絶対条件。とにかく声が出ないといけないスポーツなんです」と太田主将はいう。練習では常に試合を意識する「ゲームライク」にこだわっている。「残り5分で1点ビハインド」など、場面設定して行っている。太田主将は「練習はただこなすだけじゃない。声の掛け方、出し方も違うし、(取り組む)必死さも違ってくる」と力説する。昨年ごろからは、一つの練習が終わると、選手たちが輪になって反省点を言い合って課題を共有することも始め、チーム力アップを図っている。

 チームの特長は堅い守りだ。DFリーダーの立野舞(4年)は「リーダーとして、まだまだ未熟な部分はある」と話すが、「組織として守ることがとても楽しくて」と充実した表情だった。高校時代はバレーボールに打ち込んだが、ラクロス部の生き生きと練習する雰囲気に引かれて入部を決めた。小学校の先生を志している立野は「同じ方向に向かって練習ができている」と手応えをつかんでいた。

 中盤の安恒は攻守に走り回る。週5回の練習では副主将として太田主将をサポートしつつ、奮闘中。リーグ戦では福岡大や西南大などの強豪がライバルとなるが、「みんなで団結して勝ちたい」と意気込む。

 ファイナル進出を目指して、一致団結する筑女。リーグ戦を盛り上げる準備はできている。

 ▼九州学生ラクロスリーグ 9チームによる1回戦総当たりで順位を決め、2位と3位で争う準決勝の勝者が、決勝で1位と対戦する。優勝校は「全日本大学選手権3地区予選」の出場資格を得る。筑紫女学園大以外の参加校は昨年優勝の福岡大、西南大、中村学園大、福岡女学院大、福岡教育大、九州大、久留米大、北九大。筑紫女学園大は昨年6位だった。

 【ゴーリー一筋末永、チーム力向上実感】

 「ゴーリー」はサッカーでいうゴールキーパー。防具、ヘルメットをつけ、相手のシュートを防ぐ。“筑女の守護神”である末永千咲子(4年)は1年の夏からゴーリー一筋。「デイフェンスに指示を出したりするので、頭も使う。瞬発力も必要」と難しさを語る。相手選手の癖も頭に入れながら、プレーしているという。チーム力に手応えを感じており、「上も下も元気があってパワフル。勝った瞬間がうれしいので、最後までやりきりたい」と誓った。

  ≪「コートネーム」で呼び合い≫ラクロス部に入部すると、歓迎会でコート上で呼び合う「コートネーム」を話し合って決める。「みんなにこだわりがある。その子の好きな物から取ったり…」とDFリーダーの立野。自身の愛称である「ハチ」は、高校時代に所属していたバレーボール部での背番号。また、好きなバンド「UVERworld」でボーカルを務める「TAKUYA∞」の「∞」を縦にしたというものでもある。太田主将は高校時代に陸上部に在籍し、天真らんまんな性格から「ラン」と呼ばれている。

 ≪ドロー担当納所笑顔「楽しくなってきた」≫MFの納所多佳子(3年)は試合開始、試合再開時のドローを担当している。ドローは、バスケットボールのジャンプボールと似ている。両チームの選手がクロスの裏面にボールを挟んで合わせて、審判の合図でボールを空中へ飛ばした後に、それぞれが自分のチームの有利な方へボールを飛ばす。主導権を握る大事なプレーを今年から本格的に務める納所は「だんだん楽しくなってきた」と頼もしかった。

 ≪遠征費ためるため…アルバイトにも奮闘≫静岡のつま恋遠征や関東遠征などの費用に充てるため、ほとんどの部員はアルバイトをしている。「ラクロスのために何かをおろそかにしないように」というチーム方針もあり、勉強、ラクロス、アルバイト、遊ぶことにも、時間を有効利用して活動している。

 【献身的!部員支えるパワフルマネジャー】

 「ラスト3分!」――。練習中から、選手にも負けず大きな声を出し、元気なのが10人のマネジャーだ。リーダーの山崎沙織マネジャー(3年)は「まず、声を出して練習から盛り上げたい。ファイナルという大きな目標に向けて、プレーヤーを生かしてあげたい」と献身的に働いている。

 仕事は幅広い。練習中は時間管理を行い、ドリンクを作る。今年から1年生が5人加わり、「できることが増えた(山崎さん)」。携帯電話で練習風景を撮影した動画や、練習で出た反省点をまとめて「グループLINE」にアップして共有し合っている。

 大学では人間科学部の幼児保育コースを専攻しており、ケガをした選手の治療、熱中症の対策など、授業の内容が部活にも生きているという。子供に携わる仕事に就くことを目指している山崎マネジャーは「ファイナルにふさわしいベンチをつくり上げたい」と話した。

 ▽筑紫女学園 1907年(明40)、福岡市に私立筑紫高等女学校を開校。47年に女子中を開校、高校は48年に現在の筑紫女子高校となる。65年、同市南区に筑紫女学園短期大学を開学。75年には短大が太宰府市に移転。88年、同市に4年制の筑紫女学園大学を開学した。学部は、文学部、人間科学部、現代社会学部がある。大学の卒業生には、富永倫子(元RKB毎日放送アナウンサー)、fumika(歌手)らがいる。

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