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履正社スポーツ専門学校北大阪校野球コース

2018年11月06日 05:30

社会

履正社スポーツ専門学校北大阪校野球コース
履正社医療専門学校北大阪校野球コースの女子メンバー(撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 【女子野球に新風吹かす 目標は普及と底辺拡大】
 「スポーツ」と「医療」を学ぶ「履正社スポーツ専門学校北大阪校」。箕面キャンパスは野球コース、テニス・ソフトテニスコースの活動拠点となる。野球コースの女子クラブチーム『履正社レクトヴィーナス』の橘田恵監督(35)は女子野球の普及と底辺拡大を目指し、白球を追い続けている。

 箕面山などに囲まれた箕面キャンパス。元気な女子の掛け声が響く。履正社スポーツ専門学校北大阪校の野球コースの女子選手がナイター施設を完備した専用球場で必死に白球を追っている。それらを見守るのが橘田監督だ。侍ジャパン女子代表監督も務めており、今年8月に米フロリダなどで行われた女子野球W杯で6連覇を達成した。「プレッシャーとか寝られないときもあっていろいろと大変だったが、6連覇のかかった大会で優勝できて良かった」と安どの表情を見せ、「W杯に勝って少しでも女子野球を知ってもらえたと思う。競技人口ももっと増えてくれたらと思う」と続けた。

 そのためには、「自らのチームがよりレベルアップしないと」と話した。専用球場に加え、トレーニングルームも完備し、トレーナーに医療スタッフらさまざまなサポートがある。野球の練習が授業の一環で「女子選手も素晴らしい環境の中でやることは大事だと思う」と熱い。

 そんな橘田監督の下からは吉井温愛(はるえ)遊撃手(1年)、緒方佑華捕手(1年)、北山未来外野手(1年)が日本代表入り。吉井は「代表に選ばれてプレッシャーはあったが、試合で安打が出てうれしかったし、6連覇できてよかった」と笑顔で振り返る。もともとはマンガの「メジャー」で女子が野球をやっていることを知り、福岡市香椎小2年から始めた。中学から内野で活躍。「野球をやりたい」と履正社高を経て、同専門学校に進学した。打撃では小技が得意。将来は教員免許を取得し「女子野球にかかわっていけたらいい」と指導者の道に進む希望を持つ。

 緒方は日本代表では指名打者を務めた。捕手としても出場し「技術やメンタルなど自分の足りないところがわかった」と収穫も大きかった。佐賀県江北町出身で小学3年から野球を始め、4年から捕手として活躍。打撃と強肩が売りだ。将来は「履正社で理学療法士の免許を取って海外の女子野球をサポートしたい」と目を輝かせる。

 橘田監督が率いるクラブチームの「履正社レクトヴィーナス」は今季は全日本女子硬式クラブ野球選手権大会、全日本女子硬式野球選手権大会ともに3位。クラブ野球選手権大会で2位以内が参加できる女子プロと戦う女子野球ジャパンカップ出場を逃した。「悔しいです。プロと戦いたかった」と二人は口をそろえ、細かいミスで負けたことを反省する。橘田監督も「冷静にもっと状況判断をしながら試合を進めていければ」と無念さをにじませ、「1年生にスタメンも多く来年も戦力として残る。来年は頑張りたい」と巻き返しを誓う。

 11月からは3人のニカラグア選手が来日し、練習に参加している。「W杯で世界一になった日本がお手本にならないといけない」と橘田監督。来年2月にはMLBの春季キャンプを見学するプランもある。「履正社から女子野球の新しい風を吹かせていきたい」。さらなる女子野球の発展、普及に尽力していく。

 【履正社レクトヴィーナス コーチ兼選手・野上菜未 練習&コートと勉学両立「思ったより大変」】

 クラブチームの「履正社レクトヴィーナス」でコーチ兼選手の野上菜未内野手(22)は現在、佛教大社会学部現代社会学科4年に所属している。「教員免許を取って指導者になれたらいい」と通信教育課程でクラブチームの練習、コーチと勉学を両立させている。ただ「思った以上に大変」と忙しい日々を過ごしている。それでも夢を諦めることはない。同専門学校と佛教大では来年4月から教育連携を実施。入学と同時に同大通信教育課程の教育学部生としても入学し、同大卒業に必要な単位のうち専門学校在学中の学習が同大の単位として認定され、教育資格・免許などを取得することができる制度が整った。

 自身の在学中はなかった制度について野上も「目指すならやるべき」と後輩に推薦していた。

 《野田 卒業後は豪州で続ける》三塁手の野田麗妃(2年)は来年卒業したら、オーストラリアに渡り野球をすることになる。野田はもともと海外で活躍したいという夢を持つ。「将来は海外でプレーしようと思った。野球のスキルアップにもなった」と橘田監督もオーストラリアでプレー経験もあり、恩師のようになりたいという。来年9月からオーストラリアに渡るが、それまでは同専門学校で聴講生として練習する。

 《楠本 来季目標は女子初柵越え》楠本双葉一塁手(1年)は来季こそのひそかな目標がある。「柵越えのホームランを打つこと。もう少しというところだったけれど、ファウルでした」と女子では誰も達成していない箕面キャンパスの両翼約93メートルのフェンス越えが狙いだ。和歌山県新宮市出身で神戸弘陵高では女子硬式野球部で活躍。「野球を続けながら医療国家資格を目指せるのでここを選んだ」と将来はスポーツ選手のトレーナーなどを目指す。

 ▽履正社医療スポーツ専門学校 前身は1970年(昭45)開校の十三経理専門学校。2008年(平20)に現在の名称に。十三・茨木・箕面の3キャンパス。競技スポーツは野球・バスケットボール・サッカー・テニスの4コース。野球コースからは16年のプロ野球ドラフト会議で木村敏靖が楽天育成4位で指名され同校からは初となるプロ野球選手の誕生となった。

 【魅惑の学食 飽きないよう日替わり 人気はかき揚げ丼】

 箕面キャンパスの学食は今年5月にオープンした。野球コースに加え、テニス・ソフトテニスコースの学生や職員たちの胃袋を満たしている。ランチは毎日日替わりで、リセイランチ(500円)、リセイプレート(350円)の2種類。メニューはかき揚げ丼やオムライス、牛すきなどが人気。管理栄養士の資格を持つ石沢静香さんは「毎日食べるもので飽きないようにしている」と毎日違うものを提供している。夏は冷たい麺類が人気だったが、これからは「寒いので温かいものを出したい」とシチューやうどんなどを考えているという。

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