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大阪学院大高弓道部 鍛錬重ね23年全国高校総体を射抜く

2022年11月08日 08:00

社会

大阪学院大高弓道部 鍛錬重ね23年全国高校総体を射抜く
<弓道部>勢揃いした大阪学院大高校弓道部の皆さん(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 大阪府でトップクラスの実績を誇る大阪学院大高(大阪府吹田市)弓道部員は、今年かなわなかった全国高校総体(インターハイ)の来年度出場に向けて技を磨く日々を送っている。28メートル先の的を射ることだけに集中して矢を放つ姿は、まさに弓道一直線だ。
 的に向かって弓を引く射場が、静寂と緊張感に包まれる。白上衣に紺色の袴(はかま)、足袋を履いた射手たちが呼吸を整え、順番に矢を放つ。

 射手が弓を引く位置の射位から直径36センチの的までの距離は28メートルだ。射手を見守る部員たちは、矢が的に命中した時だけ「よしっ!」とかけ声を上げる。厳粛な空気感の中、“沈黙の練習”が続く。

 「大会が近づくと試合本番に合わせるので、1日に射る矢は40本ぐらい。普段の練習は70本ぐらいを目標にさせています」

 苗代直隆監督(46、写真)は、約3時間の練習時間のほとんどを矢を射ることに費やしていると話した。

 部員たちは、基本的に高校が弓道デビューの舞台。中学でも弓道部が多い府県もあるが、大阪は少ない。だからこそ、初心者から横一線でスタートできるのも弓道が選ばれる理由の一つかもしれない。男子主将の佐藤理一は、中学時代は水泳部だった。高校の体験会で「袴姿がかっこよく見えて」入部した。中学時代は吹奏楽部でテナーサックスを吹いていた女子主将の宇山ひかりは「アニメの『ツルネ―風舞高校弓道部―』を見て好きになりました」と、音楽から武道に転身した珍しいパターンだ。

 弓道の醍醐味(だいごみ)は、やはり的を射ることに尽きるという。そのために集中力を高め、弓を引いた後は十分なタメをつくり矢を射る。一連の動作が美しく、的に当たる音が弓道場に響くと心が洗われる心境に達する。

 試合は個人戦と団体戦があるが、団体戦は1人4射の合計的中数で勝敗が決するため、1射も無駄にはできない。それだけにチームの絆は深まり、射手はプレッシャーと闘いながら一矢一矢をつないでいく。上衣、袴を脱げば普通の高校生である部員たちが弓道場で放つ輝きを目撃することも弓道の魅力の一つだ。

 ▼大阪学院大高弓道部 開校当初に創部。「弓道は礼に始まり礼に終わる」という教本の言葉通り、礼儀作法の徹底した指導で集中力や精神力も養成する。2017年には全国高校総体(インターハイ)男子団体で準優勝、全国私学大会女子団体で準優勝。男子団体は、昨年の全国高校総体に出場したが、今年は予選敗退。部員は男子27人、女子28人。

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