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タッチフットで目指せ4連覇! 武庫川女子大は第2期黄金時代 魅力にとりつかれた選手も続々
2022年02月01日 05:30
社会
1月3日の試合以降はオフ期間。春のリーグ戦に向けた新チームは今月からスタート。練習日は週4日で、午後5時から7時30分。新型コロナの流行以前は午後8時30分ごろまでしていたが、コロナ禍で1時間短縮された。
関西勢が席巻しているタッチフット界とはいえ、その存在を知る人はまだ少ないのではないだろうか。今回のさくらボウルでMVPに輝いた杉本くるみ(3年)も「高校までサッカーをしていたので、タッチフットボールのフットボールっていう部分で名前が似ているので体験会に行きました。行ってなかったらタッチフットを知らなかったと思います」と入部のきっかけを振り返る。
前主将の橋本唯菜(4年)は、タッチフットボールをしたくて武庫川女子大を志望した少数派。6歳からフラッグフットボール(タックルの代わりに腰につけたフラッグを取る)を始め、中学まで続けていた。しかし、高校は部がなくハンドボール部に所属。それでも、タッチフットを捨てきれず、入部ありきで志望大学を選んだ。「魅力は、ハドル(作戦会議)でしゃべり合えること。作戦もそうなんですけれど、メンタル面もお互いに話しながらプレーできるのがいいです」。チームで作戦を立てながら勝利に向かうプレースタイルにはまった。
V4を狙う今年の目標は「連覇をつながないと、というよりは今年の新しいチームでまた日本一を獲りにいく」(杉本)と、あくまでも日本一にこだわる。2学年上のQBに憧れて始めたポジション。体力テストのハンドボール投げで「12~13メートルしか投げられなかった」弱肩が今では30ヤード(約27メートル)は投げられるように成長した。昨年、試合に出始めた当初は9割がランプレーだったが、最終的にはパスとランが五分五分に。「抜き出ている能力がなくても戦術だったりチームでの連係で勝ち上がれたのは、タッチフットだからこそ」と、今では競技の虜(とりこ)となっている。
【タッチフットボールとは】
タッチフットボールは1946年、米国進駐軍により紹介され、アメリカンフットボールと同様に防具を装着し、11人で行われていた。相違点はタックルの代わりがタッチだったこと。1990年に防具を着けない6人制が誕生し、女性も楽しめるスポーツとなった。
フィールドは縦80ヤード(約73メートル)、横40ヤード(約37メートル)でアメフトの全長100ヤード(約91.4メートル)、幅53.33ヤード(約48.8メートル)と比べて狭い。ボールはアメフトより一回り小さいサイズのものを使う。防具は着けないが、マウスピースと膝のサポーターは必要。さらに、コロナ禍では試合でもマスク着用が不可欠となっている。試合は4クオーター(Q)制で1Qは8分。4回の攻撃で10ヤード進めばオフェンス続行はアメフトと同じだが、前後半の残り2分以降以外はパス失敗でも時計が止まらない。
さくらボウルは、女子東西大学王座決定戦「プリンセスボウル」の優勝チームと一般女子日本選手権「ファイナルタッチ」の優勝チームで行われる。
▽武庫川女子大学 1949年(昭24)4月、武庫川学院女子大学として開学。58年(昭33)に武庫川女子大学に改称した。文学部、教育学部、健康・スポーツ科学部、生活環境学部、食物栄養科学部、建築学部、音楽学部、薬学部、看護学部、経営学部を設置。部活動では、タッチフットボール部以外にカヌー部、新体操部、体操部が全国的な強豪として知られる。