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立命大バトントワリング部

2020年01月14日 05:30

社会

立命大バトントワリング部
部員全員で一致団結し、再び全国制覇を狙う立命大バトントワリング部(撮影・後藤 正志) Photo By スポニチ
 【「ONE TEAM」で再び全国V こだわり続ける「集団美」】
 波瀾(はらん)万丈の時を乗り越え、「ONE TEAM」になったチームがある。1996年創部の立命大バトントワリング部は一時、5人まで部員が減少。岐路に立たされながら、バトンへの愛情でつながったメンバーを中心に、全国大会優勝のV字回復を果たした。再び狙う頂点へ。一致団結したバトントワラーが常勝への道を歩む。

 暑い日も寒い日も、体育館には変わらない日常がある。同じ曲をかけ、相棒のバトンとともに試行錯誤する。それが、立命大バトントワリング部の日々の練習だ。

 「バトンを1日握らないと、感覚が鈍るんです。バトン界では1日休むと、3日前に戻ると言われています」と、明かしたのは19年度の部長を務めた山科真菜(4年)。バトン界に伝わる教えを忠実に守ってきた自負がうかがえる。

 立命大がこだわってきたのは「集団美」。15人前後がバトンを空中に投げたり、体を使って回したり、技を繰り出し、3分半ほどの曲に合わせて全員がいかに“ONE TEAM”になるか。「団結力はどこにも負けないと思います」と山科が胸を張る通り、全国大会の大学バトン編成の部で17年は1位、18、19年は2位の好成績を収めてきた。

 もちろん、栄光ばかりではない。今から4年前。指導者不在となった部に残った部員はわずか5人だった。中学、高校とバトントワリングのペアで全国トップクラスの実力を誇った山科も入部をためらったという。だが、尊敬する先輩の誘いもあり、意を決して門を叩き、駆け足で演目をつくりあげ、何とか大会に間に合わせた。全国大会出場は逃したが、「再建の段階から携わり、手探り状態だったけれど、先輩や仲間と新しいものをつくりあげることができた」と充実感に満たされた。

 ほろ苦い“過去”の副産物もあった。来季から部長となる坂本葵(3年)は高3の時に、関西大会に出場した立命大の演技を観戦。「半年でチームを立て直して大会にまで出たのが凄いなと思った」と迷わず入部した。新たなコーチも加わり、部員も徐々に増加。少しずつ体制も整ってきた。一方、変わらないのは、学年に関係なく、意見を言い合える関係性だ。「個性が強い人たちの集まりだから、いろんな意見も出るけれど、ミーティングを大切にしていきたい」と坂本は言う。

 春の訪れとともに始まる新シーズン。チームを率いるリーダーは「集団美は私たちの強み。そこはぶれずにやっていきたい。そして下の子たちはまだ1位になったことがないので、1位を獲らせてあげたい」と気合を入れる。雨降って地固まったバトントワリング部。ONE TEAMで日本一を目指すべく、今日も体育館ではおなじみの光景が繰り広げられる。

 【文武両道体現の中村、つながり意識】

 バトントワリング部が掲げる理念の一つに、文武両道がある。それを体現するのが中村優(2年)だ。文学部コミュニケーション学域に所属。「会話に着目して分析するのが楽しい」と言語コミュニケーションを専攻している。衣笠キャンパスの図書館がお気に入りで、試験前は一日中こもることも。所属学部の各回生成績上位者に授与される「西園寺奨学金」を受けているのも納得の勤勉さだ。

 勉強同様、励んでいるのがバトントワリング。高校時代に世界大会に出場経験のある逸材も、選手が主体となってつくりあげる大学ならではの活動に日々、奮闘中だ。「前は大会に出るためにバトンを練習していたけれど、今はメンバーとのつながりを意識するなどバトンをより楽しいと思えるようになった」。これからも両立して、自身の成長を追求する。

 ≪高校までソロ活動、塚原2年目の自覚≫みんなで一つのものをつくりあげる魅力にはまっているのが塚原由梨香(1年)だ。高校まではおもに一人で演技をするソロで活躍。チームへのあこがれがあり入部に至った。「一年かけて一つのものをつくることは一人の時には味わえなかったしんどさもあるけれど、大会が終わった後の達成感は比べものにならない」と力説する。すべて初体験だった一年を経て、迎える新シーズン。「もっと周りを見て、チームのために行動したい」と自覚も出てきた。

 ▽立命館大学 1869年(明2)に西園寺公望が私塾「立命館」を創始、1900年(明33)に中川小十郎が前身の私立京都法政学校を設立、22年(大11)から現在の名称に。関西圏3キャンパスに16学部・22研究科合わせて約3万5000人がいる。バトントワリング部の他にも女子陸上部、アメリカンフットボール部、硬式野球部など全国レベルのクラブが多数。

 【魅惑の学食「おいでキッチン」ランチプレート】びわこ・くさつキャンパス内にある「おいでキッチン」。下宿生の多い同キャンパスで大人気のメニューが「ランチプレート」(500円)だ。チキンカツ、コロッケ、ハンバーグなどの日替わりのメイン料理に、新鮮な近江野菜をふんだんに使ったサラダが魅力。さらに、プラス100円でスポーツ健康科学部・海老教授監修の「アスリートスープ」(単品150円)とのセットにでき、バランスのいい食事を楽しめると好評を博している。

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