スポニチキャンパス
摂南大陸上競技部
2018年07月03日 05:30
社会
人工芝のラグビー場を400メートルの全天候型タータントラックが取り囲んでいる。さらにその外側には走り高跳びや三段跳びといったフィールド競技用の施設が点在している。
これだけ充実した設備が学舎に隣接しているというのも大都市圏の総合大学には珍しく部活と学業の両立を目指す学生には大きな特典といえる。
2部総合5位に終わった今年5月の関西インカレ後、部員の互選によって新主将となった小林が1部復帰への決意を口にした。「強豪校と認められるのが1部。後輩にはより高いレベルで競い合ってほしい」。自身はついに1部を経験することはなかったが、後輩には自分とは違う景色を見てほしい。
そんな思いで迎える最後の1年。自らに課した目標は陸上を始めた中学1年からの夢でもある全国大会出場。専門は三段跳び。自己ベストは15メートル60の日本インカレ標準記録(B)まであと43センチに迫っている。これをクリアできればチーム戦にも貢献できる。京都・西城陽高時代の専門は200メートル走。元々助走のスピードには自信があった。あとは踏み切りのタイミング。大腿部裏側の肉離れもようやく完治し、日々の練習にも熱が入る。
小林主将をサポートするのは関西インカレ2部110メートル障害3連覇中の前田喬紀(3年)。自己ベストは14秒25。こちらは日本インカレを飛び越え、日本選手権のA標準13秒95に照準を合わせている。
大阪・大阪桐蔭高時代は1年の夏に14秒92をマークして以降、記録を縮めることはできなかった。それが摂南大入学後、すぐに14秒63を記録。「集合時間も練習メニューも自分たちで決める。そういう環境が合ってるんだと思います」学生の自主性を重んじた運営も摂南大の特長。伸び伸びとした環境の中、1部復活をスローガンに部員一人一人がそれぞれの目標を懸命に追いかけている。
【木南 周囲の支えに感謝】
走り高跳びの木南雄希(2年)は瀬戸内海に浮かぶ人口約800人の島、香川県豊島(てしま)出身。豊島中時代に1メートル82を跳んで四国大会で優勝。香川西高でも1年の秋に1メートル92を記録して注目されたが、左膝を骨折して低迷。医師からは引退を勧められた。その木南の自己ベストが摂南大入学後2メートル10に。「全部我流でしたが、ここでは先輩が教えてくれて。感謝です」コーチ役を買って出たのは松阪拓海前主将(4年)。周囲の支えもあって充実した競技生活を送っている。
【須田“恩返し”へ日々努力】
短距離の須田吉紀(3年)は毎日自主練習を欠かさない努力家。400メートルリレーの第2走者を担当する。
和歌山商高時代は故障続き。高校最後のインターハイも右大腿部の肉離れで棒に振った。そんな中、摂南大からの誘いが。「人生で初めて声を掛けてもらった。うれしかった」その時の思いが苦しい練習を乗り越える原動力になっている。専攻は地域経済。卒業後は故郷で地方公務員をしながら陸上に携わっていくのが夢だ。
▽摂南大学 1975年(昭50)開学。7学部13学科で学生数は約8200人。スローガンに「Smart and Human」を掲げ、知性と人間性を兼ね備えた人材を育成。2020年4月、農学部を設置構想中。
【マドンナ図鑑 外国語学部2年・戸田久月さん 1年生で「セツコレ」グランプリ】
友人に誘われて出場した学園祭の「セツコレ」で、1年生ながらグランプリを獲得した外国語学部2年の戸田久月(くづき)さん。端正な顔立ちからハーフに間違えられることもあるというが「人見知りではない方なので、大学では友だちもたくさんできました」と人懐こい性格の持ち主。学部では英語を専攻しており、いずれはカナダやアメリカに留学することが目標だ。
「いろんな人たちと関わるために、グローバルな視点を持った人になりたい」と将来に思いをはせる。もの作りが好きで、特技は裁縫。ブックカバーや巾着の他にも、自分で着る服を作ることもあるという。英語の勉強の合間に、ダンスサークルに焼き肉店でのアルバイトと、忙しい日々を過ごす戸田さん。とびきりの笑顔に毎日の充実ぶりがうかがえた。
【魅惑の学食 ボリューム満点大人気 数量限定「チキン南蛮定食」】
学内で一、二を争う人気メニューの「チキン南蛮定食」(440円)。男子学生も大満足なボリュームのうえ、国産鶏の胸肉を使用しているため、柔らかくておいしいと評判だ。手作りの甘酸っぱいタレとタルタルソースが食欲をそそる。数量限定のため、早々に売り切れることも。食欲の低下しがちな暑い夏でも「チキン南蛮定食」を求める学生が、毎日長蛇の列を作っている。営業は午前11時〜午後5時(土曜は午後2時半まで)。定休日は日曜。