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心を合わせて全国切符を!常翔学園男子バレーボール部、自主性重視の指導で「人として成長」が目標
2022年01月11日 05:30
社会
過去の実績はインターハイ予選3位、全日本高校選手権大会(春高バレー)大阪予選3位が最高成績。全国大会出場まであと一歩のところだ。昨年10月に行われた春高バレー大阪予選は準々決勝で清風に敗れた。新チームは浅井健汰主将(2年)体制でスタートを切った。
監督の千葉剛教諭(40)は「今年の1年生(新2年生)は結構能力の高い子が多くて、バレーもすごく好きで、朝練のない日も朝早くやって来て取り組んでいる。楽しみ」と、ポテンシャルを秘めた今年のチームに期待をかける。
レシーバーとしてここぞの場面でコートに入る浅井主将は「小、中学校とバレーをしてきてキャプテンは初めて。正直すごく不安で自分で務まるのかと思ったんですけど、指名された以上、日本一のチームにするために覚悟を持ってやりたい」と常翔学園高男子バレーボール部に新たな歴史を刻むことを誓った。
自主性を重視する千葉監督の指導は「バレーを通じてコミュニケーション能力を向上させ、人として成長する」ことが目標。目指すは「戮力(りくりょく)協心」を体現するバレー。互いに心を合わせ、一致協力して物事にあたる。一昨年、保護者会で作った横断幕にも記された。
インターハイ、春高バレー出場の2大目標達成に向け、まずはインターハイ予選のシード権獲得をかけて16日から始まる大阪高校新人大会2次予選に挑む。
《夏はビーチ! すでに全国制覇も達成》
インドアのバレーボールとともに夏場に取り組んでいるのがビーチバレーだ。5年前から挑戦を始め、18年の第17回全日本ビーチバレージュニア男子選手権では全国制覇も成し遂げた。
ビーチバレー練習は大会前の短期間で行い、選手にとっては体力的に負担もかかるものの出場を希望する部員は多い。千葉監督は「ペアを組んでセレクションマッチを行います」と人気ぶりに表情をほころばせる。昨年は新型コロナの影響で3年生のペア1組が結成され国体出場権を得たが、三重国体は中止となってしまった。
今年も新型コロナ変異株の感染状況次第では先行き不透明だが、新チームでエースの期待がかかる八幡谷歩音(あゆと・2年)は「挑戦したい。体育館でやるバレーボールとビーチバレーでは体の動かし方も全然違うけれど、ビーチの練習がインドアに役立ったというのはあります」と選手に選ばれることに意欲を見せる。
千葉監督は「ビーチバレーの大会に出た後の1、2日は(インドアでの動きが)狂ってしまうことはあります」と話したが、それでも挑戦することで得られるものの方が多いのは確か。動きづらい砂の上でのプレーで足腰が鍛えられ、2人で広いコートを守る中でボールに対する粘りも培われるという。
《6人のマネジャーでサポート態勢は万全》
選手をサポートするのが福泉朝日さん、中津綾香さん、松本七海さん(3年)、横田花優(はな)さん(2年)、田中咲さん、詫間光稀さん(1年)の女子マネジャーたちだ。練習中はボール渡しやアイシングなどが主な仕事で試合では1人がベンチに入る。陸上ホッケー部のマネジャーをしている姉の影響で興味を持った詫間さんは「バレー部の練習見学で選手みんなが一生懸命取り組んでいる姿に圧倒されて入りたいって思ったのがきっかけ」と入部動機を話す。また「日々の練習から選手とともに成長していくことから、試合に勝って一緒に喜びを感じられた時によかったなと思います」とマネジャー仕事にやりがいを感じている様子だった。
◇常翔学園高校 1922年(大11)に創設した関西工学専修学校を淵源とする。「『自主・自律』の精神と幅広い『職業観』を養い、目的意識を持った進学の実現により、将来、実社会で活躍できる人材を育成する」が教育理念。第101回全国高校ラグビー大会で通算100勝を達成したラグビー部など多くの部活動が全国の舞台を目指し日々励んでいる。