「光る君へ」ネット衝撃 母ちやは初回即退場のワケ「愛した人の兄が…悲しい宿命」脚本・大石静氏が発想

2024年01月07日 21:00

芸能

「光る君へ」ネット衝撃 母ちやは初回即退場のワケ「愛した人の兄が…悲しい宿命」脚本・大石静氏が発想
大河ドラマ「光る君へ」第1話。まひろ(落井実結子)の眼前、母・ちやは(国仲涼子・左)は背後から藤原道長の次兄・藤原道兼(玉置玲央)に太刀を突き刺され…(C)NHK Photo By 提供写真
 女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は7日、15分拡大でスタート。主人公・まひろの母・ちやは(国仲涼子)がいきなり“退場”の衝撃的な展開となった。脚本の大石静氏や制作統括の内田ゆきチーフ・プロデューサー(CP)に作劇の舞台裏を聞いた。
 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 第1話は「約束の月」。平安中期、京に生を受けた少女・まひろ(落井実結子)、のちの紫式部。父・藤原為時(岸谷五朗)の政治的な立場は低く、母・ちやは(国仲涼子)とともに慎ましい暮らしをしている。ある日、まひろは三郎(木村皐誠)という少年と出会い、互いに素性を隠しながらも打ち解け合う。再び会う約束を交わした2人だったが…という展開。

 右大臣に昇進した藤原兼家(段田安則)に持ち掛けられ、為時はようやく東宮(皇太子)・師貞親王(のちの花山天皇)への漢文指南の仕事を得る。“間者になれ”という意図も汲んだ。

 三郎との約束の日。まひろは、父が職に就けるよう母が願掛けに通った神社へお礼参り。山中、帰りを急ぐまひろは馬に乗った三郎の次兄・藤原道兼(玉置玲央)の前に飛び出してしまい、道兼は落馬。まひろは「お許しを」と詫びた。

 長兄・藤原道隆(井浦新)との差、三郎との言い争い…道兼のイラ立ちはピークに達していた。

 従者が「道兼様を黙らせるとは、肝の据わった女子(おなご)でございます」と言うと、道兼は逆上。従者の太刀を抜き、ちやはを背後から突き刺した。

 河原。三郎は待ちぼうけ。家に帰ると、顔に返り血を浴びた次兄を目撃した。

 まひろの弟・太郎(湯田幸希)は泣き腫らしている。まひろの従者・乙丸(矢部太郎)から「みちかね」と犯人の手掛かりを知った為時はすべてを悟り「ちやはは、急な病で死んだことといたす。その旨、心得よ」「そのことは忘れよ!おまえや、太郎のためだ。父の言う通りにせよ」と娘に告げた。

 「まひろという少女の、激動の運命が、動き出した」(語り・伊東敏恵アナウンサー)

 優雅にストーリーが進む中、ラスト6分、衝撃の急展開。制作統括の内田CPは「紫式部と学問に通じた父とのことは有名な逸話が遺されていますが、一方で母は早くに亡くなったという説があります。母を最も理不尽なやり方で失う衝撃、それが父との関係に影響を与え、もちろん再会した道長との間にも大きく横たわる、という展開を、大石静さんがお考えになりました」と大石氏によるオリジナルの着想だと説明。

 大石氏も「幼少期に母を亡くしているということは、人間にとって大きいので。乱暴者という道兼のキャラクターを設定した時に(ちやはの最期と)結びつけられないかなと思って、まひろにとっては愛した人(道長)の兄が母の仇になるという悲しい宿命を発想して、1話のラストで退場してもらうことにしました」と明かした。

 次回は第2話「めぐりあい」(1月14日)が放送される。

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