「ふてほど」ネット話題“昭和再現”の裏側 令和パートと画質に差!小道具に腐心 ウォークマンは監督私物
2024年03月03日 10:00
芸能
「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」の宮藤氏&阿部&磯山氏が「タイガー&ドラゴン」以来19年ぶりに黄金タッグを組んだヒューマンコメディー。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまった“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与える。
毎回、昭和と令和のギャップなどを小ネタにして爆笑を誘いながら、「多様性」「働き方改革」「セクハラ」「既読スルー」などのテーマをミュージカルシーンに昇華。コンプライアンス社会に一石を投じる宮藤氏の作劇が冴え渡り、インターネット上で大きな話題を集めている。
懐かしさあふれる昭和ネタの数々も話題だが、実は昭和パートと令和パートで画質に微妙な差がある。カメラ(機材)自体は同じだが、撮り方(モード)が異なるのだ。
昭和パートは「プログレッシブ(30p)」、令和パートは「インターレス(60i)」。磯山氏は「技術的には1秒間のコマ数の違いなんですが、効果としては、簡単に言えば、30pの方が映画っぽくなります。ニュースやバラエティーは、クリアな60iで放送しています。ただ、Netflixは全カットが自動的に30pになるので、地上波放送と両方見比べて違いを体感していただくのも楽しいかと思います」と解説した。
磯山氏が過去にプロデュースした「木更津キャッツアイ」「マンハッタンラブストーリー」「ごめんね青春!」などは30p撮影。「60iで撮る時も、回想シーンだけ30pでノスタルジックな雰囲気を狙ったりもします」。今回、2つのモードを使い分けたのは、宮藤氏&磯山氏と傑作を生み続けてきたチーフ演出・金子文紀監督のアイデア。「ちょっとしたことですが、昭和と令和の画に差が出て、効果的だったなと思っています」と称えた。
昭和61年再現のため、美術や小道具は腐心が続く。
特にムッチ先輩こと秋津睦実(磯村勇斗)が乗るバイク、ホンダ「CBX400Fインテグラ」(82年発売、54・9万円)は「今買うと、当時の約10倍ぐらいするそうです」。今後は、廃盤になったお菓子も登場。「発売元に現物をお借りして、美術さんがレプリカを作って“復刻”しました」。第5話(2月23日)に登場したディスコの服装など「古いものはフリーマーケットのサイトで買っています。もちろん全部じゃないですが、衣装さんによると、そのサイトがないと成立しないくらい利用しているらしいです」と明かした。
団地や商店街など、ロケ地探しもひと苦労だった。
「小川家の外観は、築40年以上のマンションを探しました。商店街も歴史のあるところをお借りして、さらに当時のような古い装飾をさせていただきました。ウォークマンは金子監督が実家から持ってきた私物です。動かなかったんですけど、修理して。色々と大変なドラマです(笑)」
ドラマは後半戦へ。次回は第7話「回収しなきゃダメですか?」(3月8日)が放送される。