「光る君へ」直秀ロス広がる…毎熊克哉が語る“衝撃の最期”自ら提案 泥を握り締めたワケ「権力への抵抗」

2024年03月03日 20:45

芸能

「光る君へ」直秀ロス広がる…毎熊克哉が語る“衝撃の最期”自ら提案 泥を握り締めたワケ「権力への抵抗」
大河ドラマ「光る君へ」第9話。“非業の死”を遂げた直秀(毎熊克哉)(C)NHK Photo By 提供写真
 女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は3日、第9話「遠くの国」が放送され、散楽の一員である直秀が衝撃のラストを迎えた。直秀役の俳優・毎熊克哉(36)は、謎に包まれた男の憂いと優しさを表現。権力に抵抗した人生について「生き様にこだわっていた」などと撮影の舞台裏を語った。まひろ(吉高)と藤原道長(柄本佑)のキューピッド役も務め「帰るのかよ」「行かねえよな」などの“名台詞”も話題になったドラマオリジナルの人気キャラクター。まさかの早期退場に、インターネット上には「直秀ロス」が広がった。
 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 直秀は本作のオリジナルキャラクター。散楽の一員として町辻で風刺劇を披露しながら、盗賊として貧しい民に盗品を分け与えている。第8話「招かれざる者」(2月25日放送)で、東三条殿に盗みに入ったところを武者に取り押さえられ、第9話で流罪が決定。しかし、道長とまひろが獄を訪ねると獄にはおらず、屍の捨て場「鳥辺野」で無残に殺されていた。

 毎熊は直秀のラストを「重く長くのしかかるシーン」と振り返った。直秀はまひろの屋敷に訪れては、フクロウの鳴き真似で合図。まひろに「都は所詮山に囲まれた鳥かごだ」と説き、都の外にまひろの知らない世界が広がっていることを教えた。「直秀は何のしがらみもなく自分の意思で自由に生きているキャラクター。それが鳥に食われるってなんかいいなと思った」と語った。

 直秀の遺体は泥を握りしめていたが、このしぐさは台本には書かれていなかったという。毎熊自らが提案した。込めた思いについて「権力に対しての反抗。悔しさがにじみ出ている死に方になったらいいな」と語った。続けて「道長にそのバトンを渡したいという気持ちで、泥を握りしめることにしました」と明かした。

 庶民の直秀は、名門・藤原北家の道長とは相反する存在。貧困に苦しむ民を目の当たりにしてきた。「こんな奴らに自分らの生活を決められてたまるかという気持ち」。貴族に対して憎悪を抱いてきた。しかし、道長と出会うことで少しずつ気持ちに変化が生まれていく。第7話「おかしきことこそ」(2月18日放送)で道長は、「お前らの一族は下の下だな」と言い放った直秀に対して、「全くだ」と返答。身分の低い人間を見下さない姿に、直秀はふっと笑った。毎熊は「いつどこで心を許したのかは分からない」とした上で「やり取りの中で道長が何を大事にしている人かって感じるはず。貴族でも人それぞれに違う」と語った。

 2人が心を通わすシーンがある。それが第8話で、ポロに似た球技「打毬(だきゅう)」を終えた直秀が道長に屋敷を案内してもらうシーン。直秀の腕の傷を見て盗賊であることを疑う道長と正体を隠す直秀。2人は腹を探り合いながらも、笑みを浮かべて球を投げ合った。毎熊は「台本通りのセリフが終わったところで球を投げたら、道長が返してくれた」と、撮影現場で生まれたやりとりであったことを告白。「不思議な友情ですよね。あの球を返してくれたのが意外でうれしかった」と語った。

 道長と心を寄せ合う中で、直秀がそれまで“正義”だと信じていたものが揺らいだ。「道長に出会ったことで気付いたことがあった。本当に自分が大事にするべきことがこれだけじゃないのかもなって。自分の人生ここまでかってどこかで思ったはず」。反骨心で生きていた直秀の人生にとって大きな出会いだった。毎熊は、直秀の最期に「刃を向けていたものの中に、憎しみだけじゃなくて愛せるもの、素敵なものが見つけられたというのが短い人生の宝物なのかな」と、思いを馳せた。

 短い生涯に幕を下ろした直秀。まひろに残したい言葉を聞かれた毎熊は、「いつかは海を見てほしい。こんなにきれいな場所があるんだという景色をいっぱい見てほしい。この狭苦しい生きづらいところじゃなくて、もっとのどかな美しい景色を見てほしい」と、直秀の思いを“代弁”した。そしてそっとつぶやいた。「そこに連れ出せたかもしれない自分だったので」。無念さをにじませながら、まひろが広い世界を自分の足で歩むことを切に願った。

 SNS上には「今後もまひろと三郎の架け橋のような存在として出演し続けてくれると信じていたのに…完全に直秀ロス」「2年連続、毎熊さんを牢屋にぶち込み、酷い目に遭わせるNHK大河よ。けれど、今回は『どうする家康』の時よりダメージがデカいよ」などと悲しみや惜しむ声が続出。オンエア後(午後9時)には「X(旧ツイッター)」の国内トレンド33位に「直秀ロス」がランクインした。

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