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和歌山県・日高川 待ち焦がれた解禁で美アユと再会 2日間で若アユ53匹 好調の予感

2024年05月22日 05:30

社会

和歌山県・日高川 待ち焦がれた解禁で美アユと再会 2日間で若アユ53匹 好調の予感
巧みな釣法でアユを釣り上げる山下誠司さん
 待ち焦がれたアユの友釣りシーズンが開幕する。遅れ気味であった天然遡上(そじょう)も各河川で順調に回復しつつあり、期待が高まってきた。今年も1~2日、早期解禁の和歌山県・日高川龍神地区周辺に京都SMCの山下誠司氏らと釣行。初日は極寒といえる雨の中、また翌日は晴天の下で追い気のあるアユを求め、巧みな釣技で2日間合計13~17センチの若アユを53匹射止め、今シーズンの好調を予感させる釣行だった。また、合わせて西日本周辺の主要な河川の天然遡上と各漁協の放流情報、注目すべき河川を紹介しよう。 (スポニチAPC、鮎匠会・横山 芳和)

 冷たい雨が降る日高川龍神地区の松阪食堂へ、午前6時前に京都の釣友たちと集合した。店主から近況をうかがい、オトリアユと入漁券を購入。事前の下見をしてくれた地元、鮎匠会の佐々木功作氏の案内で温泉橋上流の瀬に入った。

 水温は14度で30センチほどの減水。山下誠司氏は、ナイロン糸0・175をセットして瀬の中にある深みの波立ちを狙う。手元から放ったオトリアユを泳がせながらポイントへ導くと、流心の輝きのある石で止めて待った。張っていた水中糸を少し緩めた瞬間、スゥーと目印が水中に吸い込まれるアタリ。慎重にタメて引き抜くと17センチの黄色い追い星をまとった美しい若アユがタモに収まり、シーズン初の野アユに見入った。

 続いて同じ筋に送り込むと、すぐに連発したが後が続かない。その後は移動しながら単発で釣っていたが、寒さのあまりギブアップして松阪食堂へ逃げ込んだ。ストーブに火を入れてもらいおいしいラーメンで暖を取らせてもらった。見かねた奥さまからカイロを渡されありがたかった。

 気を取り直して下流、はじかの橋周辺のポイントに移動した。先行者の後ということで、一級ポイントでは追いは皆無。誠司氏は、開けた水深20センチほどの瀬肩の掘れ込みで入れ掛かりを演じてみせた。誰もが盛期のポイントと思われるところでの釣技に驚かされた。

 下流のトロ瀬では山下大輔氏が得意の泳がせ釣りで群れアユの中の追い気のあるアユを丹念に仕留め続けていた。夕方までに誠司氏は、13~17センチを28匹の釣果だった。

 この日、有田川では、鮎匠会の西本孝光氏がダム上の清水地区で降雨の中、同サイズを21匹の釣果だった。

 翌日の龍神地区は、多くの釣り人で入川できず、支流の寒川(そうがわ)に場所を変えた。ここでも魚影は濃いが、居着きアユは少ない。誠司氏は、群れアユ崩しで巧みに追わせて数を伸ばす釣法を駆使し13~16センチを25匹。大輔氏も私も同数程度の釣果で今シーズンのスタートを切った。

 今回も気の合うメンバーで解禁の友釣りが満喫でき、至福の時を過ごした。今の龍神では縄張りを持つ野アユは少なかったものの、小型ながら魚影は濃いので、梅雨明けからは型の良い美アユの数釣りが楽しめる。

 【西日本各河川の展望】
 現在の各河川は、最近の気候変動や春先の渇水の影響などで遅れていた天然遡上が平年並みから、それ以上の好調な兆しを見せている。また、漁協による放流も順調に行われて解禁が待たれる。

 各漁協の天然遡上や放流情報は別表の通りだが、特に注目すべき河川を紹介しよう。

 海産の天然遡上アユは、日本海側の河川が比較的に好調といえる。太平洋側では、遡上の遅れか、平年並みの状況のようだ。

 琵琶湖産の遡上は、少し遅れ気味ではあったものの、現在では安定感を示している。それでも全体的に生育は遅れ気味で初期には小ぶりが主体だろう。放流河川への釣行は正確な情報入手を行ってほしい。これらの河川では、今後の水温上昇によって好転し、梅雨明けからが本格的な友釣りシーズンとなるだろう。

 好調が予想される河川を紹介しよう。海産の天然遡上河川として、日本海側では鳥取県の三河川は良好で、特に日野川は記録的な遡上で全域に魚影が見られる。天神川や千代川も楽しみだ。豪快な釣りで魅了される福井県九頭竜川は、平年並みで良型が期待できる。

 太平洋側では前出の和歌山県・日高川や有田川のほか、高知県の四万十川や仁淀川、物部川も期待したい。徳島県・海部川でも追いの強い野アユが待つ。長良川水系では遡上が好調だ。上流の郡上漁協管内への遡上もさることながら、放流量を大幅アップして解禁から好釣果が得られる。

 琵琶湖に直結する安曇川・広瀬漁協管内は、天然遡上も好調となり、放流量も増やして解禁から釣り人を魅了する。

 放流河川では、自然豊かな渓流域で放流量も多い滋賀県・永源寺漁協(旧愛知川上流)、三重県・宮川や大内山川も期待できる。大アユ狙いでは高知県の吉野川、上流の嶺北漁協を薦める。この他、広島県・東城川はアユを知り尽くした組合長に交代したことで期待が高まっている。愛媛県・面河川は清流での美アユが楽しめる。京都府・上桂川、岡山県・加茂川水系加茂郷漁協管内、岐阜県・馬瀬川上流でも数釣りが狙える。

 釣行前には自身で正確な情報を入手するとともに、安全対策にも十分に配慮して楽しいアユ釣りシーズンを満喫してほしい。

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