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ライバル減らし魚の活性上げた恵みの雨、ブラウン58センチ ボートであわやトラブル 栃木・中禅寺湖

2024年06月16日 04:30

社会

ライバル減らし魚の活性上げた恵みの雨、ブラウン58センチ ボートであわやトラブル 栃木・中禅寺湖
渡辺さんがやっと釣った58センチのブラウン。1・5号のティペットで立派に戦えた Photo By スポニチ
 【奥山文弥の釣遊録】栃木・中禅寺湖のブラウンが最盛期に突入しました。ブラウンがセミを模したフライやルアーを目がけ水面に出てきます。初日はボートで山側の八丁出島~松ケ崎に渡り、6人で水面を中心に狙いました。午後3時まで湖畔で過ごしましたがなんと全員が不発。後で聞いたら今年はセミ釣りが異常な人気で、この日は160人が山側に入ったそうです。歩いてきた人が、全然入る場所がなかったと嘆いていました。

 その夜は民宿おかじんに宿泊、翌朝は午前9時過ぎからボートで水面狙いをしました。湖岸を見て岸釣りの人がいない場所を探して接岸し、参加者の中村渚さんはルアー、渡辺正博さんはフライで挑んだのですが、魚は全く出てきません。それどころか途中納得がいかないハプニングがありました。岸近くで釣っていたら、岸釣りの人が「岸から離れろ」というのです。後から来た人に文句を言われる筋合いはありません。そう答えたら「ボートは岸から50メートル以内に近づいてはいけないルールを知らないのか?」と言われたものですから、そんなルールあったかなと思いつつも、とりあえずトラブルを避けるために岸を離れました。その後、漁協に電話して聞いてみると「そういうルールはありません」とのことでした。近年人が増えたため、中には強欲になっている人も増えるのは仕方がないと思いますが、先行者のボートをどかそうとするやり方はいかがなものでしょうか?

 別のポイントへ移りました。しかし、どこへ行っても人だらけ。また変なことを言われたら嫌なので、うかつに岸に近づけない状況でした。

 休憩で桟橋に戻り、遅いランチを取っていると雨が降ってきました。雨は魚の活性を上げます。再び山側へ。対岸に着くとあれほどいた岸釣りの人の影が皆無でした。どこでも投げ放題です。中村さんがミノーを投げるといきなり大型ブラウンが浮かび上がりルアーを追いかけてきました。それも2匹。やる気のある魚がいる、あるいは人がいなくなって雨が降って警戒心が解かれたのか。その後、何度もブラウンのチェイスはありましたが、ヒットには持ち込めませんでした。

 終了まで残り1時間です。それまで魚が出てきた所をさらうように狙っていきました。雨の中でライズがありました。ボートと岸の距離が10メートルない場所です。渡辺さんがセミフライを落とし「こんな近い場所じゃあね」と思っていたら、いきなり茶色の魚が水面に躍り上がりました。

 ビシッと合わせが決まりロッドが弧を描きます。新調したというリールからシュルシュルとラインが出て、湖に突き刺さっていきます。リールファイトに切り替え、フライラインが斜めに浮いてきたかと思うとジャンプ。およそ3分ほどの攻防で無事ネットインしました。58センチ。この魚は彼にとって最初のブラウンです。いきなりこんなのを釣っちゃったらこのあとはどうやって楽しめばいいのでしょうか?(東京海洋大学元客員教授)

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