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凄腕“ヘビー級”ヒット狙う 世界一のボクシングカメラマン・福田直樹さん
2024年06月20日 04:30
社会
![凄腕“ヘビー級”ヒット狙う 世界一のボクシングカメラマン・福田直樹さん](/society/news/2024/06/20/jpeg/20240619s100933D2329000p_view.webp)
「寝る前に以前に訪れた川の流れ、魚が潜んでいた淵、釣れた瞬間を考えているとすぐに眠れます」
釣りの原体験は小学生の頃。埼玉県内の川でハヤやクチボソを狙った。友人家族に連れていってもらった湖でブラックバスを釣り「完全にハマりました」。
釣るのも、食べるのも、飼うのも好き。魚マニアでもある。
ライターを経て、以前からなりたかったカメラマンを志して渡米。ラスベガスに在住し、バス釣り大会「USオープン」が開かれるミード湖でストライパーを狙った。
ほかにも一時帰国のたびにシーバスやシイラを狙うルアーマンとして釣行を重ねた。
「どんな釣りでも魚が食った瞬間が好きなんです。合わせが決まった瞬間が一番、興奮しますね」
カメラではボクサーのパンチが当たった一瞬を切り取る。
「リング上で両者の立ち位置やパンチのタイミングで“何かが起きるぞ”と予見してシャッターを切ります。釣りも似ているところはありますね」
だが釣りを仕事に生かす、あるいはその逆も、という考えは福田さんにはない。「釣れなかった時は、運を使い切らないでよかったと思っています」
釣りとの緩い関係を保っている。
今ハマっているのは帰国した16年から始めたフライフィッシング。マラブー系などのウエットフライが専門。部屋で一人タイイングの時間も楽しい。
東京都あきる野市の「養沢毛鉤専用釣り場」で60センチ超のブラウンを釣ったこともある。
東京湾周辺の運河などでドチザメも狙っている。
「いつも大きな魚を釣りたいと思っています。サメが釣れると思っただけでドキドキします。釣りは子供の時の冒険の延長なんです」と言った先から「最近、タナゴの竿や水槽を買ったんですよ。家に届いていてまだ開けていないのですが、楽しみだなあ」
相好を崩した顔が少年になっていた。
≪香川照之と切磋琢磨≫俳優・香川照之とは中・高校時代から親友。共にボクシング好きで、テレビ放映された試合をビデオにとって2人で何度も繰り返し見た。「香川がいいというボクサーは僕もいいと思う。僕の評価に香川は同調してくれる」。そんな切磋琢磨(せっさたくま)が福田さんの糧になったことは間違いない。
◇福田 直樹(ふくだ・なおき)1965年(昭40)生まれ、東京都出身の58歳。ボクシング・フォトグラファー。独協大外国語学部フランス語学科卒業。ベースボール・マガジン社「ボクシング・マガジン」の編集にライターとして携わった後、01年に渡米、カメラマンに転向。08年から米の専門誌「リングマガジン」のメインカメラマンを8年間務めた。BWAA(全米ボクシング記者協会)主催のフォトアワードで最優秀写真賞を4回獲得。12年にはWBC(世界ボクシング評議会)のフォトグラファー・オブ・ザ・イヤーにも選出された。