フィッシングニュース
福井県・若狭本郷「はやし渡船」 キスの心地よいアタリを堪能
2024年06月26日 05:30
社会
「キスは八十八夜を過ぎてから」といわれるが、その八十八夜(5月1日)もとっくに過ぎた6月中旬、でも私の竿先は揺れない。釣り始めから30分ほどして仕掛けをあげてみたら12センチほどのキスがオモリに引かれ、水面下に姿を現す。
ハリス0・8号2本針にイシゴカイを刺してすぐ投入する。2匹目、3匹目も魚体が小さくアタリが分からない。4匹目は16センチだったが、手元に魚信が先に伝わり合わせた。スカッとひったくるキス独特のアタリが体感できない。
「針に乗らないんですよ、今年は」船長の言葉が脳裏をよぎる。たしかに竿先にアタリが出ないか出ても小さい。
そんな中、船首側の右舷にいた京都府長岡京市からやってきた前野正秀さんが「ちょっと大きいで~」と釣友に声がけをしながらリールのハンドルを巻く。きょう最長寸の23センチだった。前回は30匹超えだった前野さんも「アタリがあっても針に乗らない」とこぼす。前夜の豪雨による水潮のせい?餌を底から少し浮かせたら当たったそうだ。
それならばと胴突き仕掛けを船上で作り、試したら底が泥っぽいポイントで効果があった。動きのよいイシゴカイを10メートル先の海底に届ける引き釣りが通用せず、仕掛けをからませることも多かった。
あれこれ試しながらあっという間に6時間が経過した。トモ左舷の女性2人はリクライニングチェア持参でリゾートの雰囲気で釣果も伸ばしていた。
この日に回ったポイントは主に3カ所。加斗海岸の北に浮かぶ蒼島周りで朝マズメを攻めたのはお土産の確保が目的、小さなキスが多かったため「良型を狙いましょう」と2番目は小浜湾口に近いアカグリ崎沖へ。
水深20メートル以上あるポイントで着底した瞬間に誘うとブルッと気持ちよいアタリに遭遇。取り込む最中の小気味よい引きを楽しみながら良型をダブルで取り込んだ。
午前11時過ぎに向かったのは小浜市に近い勢浜の岸寄りの浅場。根も泥も藻も点在したリスキーな海底から22センチを筆頭に短時間に魚信が集中した。
若狭のキス釣りは梅雨から初夏が本番。今シーズンは遅れ気味なので胴突き仕掛けなどのひと工夫と、こまめな餌交換など繊細な釣りが有効。静かな湾内でのんびりわいわい楽しむ若狭のキス釣りは家族やグループでもしっかり遊べる。
はやし渡船ではキス狙いの乗合船のほか筏、カセで大型のチヌに今後はアジも狙えるのでぜひ挑戦してほしい。問い合わせは「はやし渡船」(電)0770(77)0591へ。
◆アクセス 舞鶴若狭自動車道・小浜西インターを出て国道27号を舞鶴方面に5分。北側(海側)に駐車場と店がある。乗合船料金7000円。釣具店を兼ねているので餌、氷、仕掛けは常備している。