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意外、夏に氷の妖精!?ワカサギ60匹 “モテ期到来”で約10センチ良型ダブルも 栃木県・東古屋湖
2024年08月09日 04:30
社会
迎えてくれたのは、常連で上州屋新真岡店(同県真岡市)スタッフの荒山将行さん(47)。「ここはマス釣りで有名な湖ですが、マスがオフシーズンとなる夏場も湖を盛り上げるためワカサギ釣りを始めたそうです。釣趣、おいしさは、冬と比べても遜色なし。十分に楽しめますよ」。荒山さんは話すけど、ワカサギといえば冬が相場のはず。半信半疑のまま借りたボートに乗り込んだ。
タックルはマス用の竿に、ワカサギ仕掛けを付ければOKと超シンプル。ワカサギの道具を持っていない私にも気軽に狙えるのがうれしい。ハリに餌の紅サシを付け、湖に落とす。水温が高いこの時季、ワカサギは底付近にいるのだそう。オモリを着底させ、竿を上下に振ってみる。すると、プルン。かすかだが確実に魚の当たりが伝わってきたが、すぐに魚信がなくなってしまった。その後も、当たりはあるものの掛からないことが続いた。まるで、脈はあるが付き合ってもらえないみたいって、これは恋じゃないですか。ならば、振られるわけにはいかない!今度は紅サシを小さくカットし、ハリに掛かりやすいよう調整。この一手が効いた。
ブル、ブル、ブル、ブル。1匹、さらにもう1匹追い掛かりし、2匹同時にゲット。急にモテモテじゃない私。黄金色の背中に銀白色の腹、間違いなくワカサギ。しかも約10センチと良型。氷の妖精だと思っていたけど、真夏にもお目にかかれるなんて。釣り方も冬とほとんど変わらない。むしろ寒さ対策でモコモコ着込まなくていいのは楽。夏ワカサギ、いいじゃん。そこで新たな疑問。なぜ東古屋湖は夏がシーズンなのだろう?
荒山さんは「ワカサギは冬も釣ることはできます。でも、この湖はマスを多く放流しているので、涼しい時季には元気なマスが掛かってしまう。しかも繊細なワカサギ仕掛けをグチャグチャにしてしまうんです」。高水温が苦手なマスは夏場は動きが鈍い…。なるほど、理にかなっているのね。その後もポイントを変えながら釣りを続ける。くの字形の湖は先が見えないので、探検している気分。そしてたどり着いたのは、最奥にあるダムのゲート。人が造った巨大なコンクリートの壁は、荘厳な雰囲気が漂っていた。
ポイントを変えるごとに釣果は順調に伸び、最終的に私は60匹、荒山さんは100匹超に。密閉袋を魚でパンパンにできたうれしさは最高潮。ワカサギは「冬」という固定概念は今日でおさらば。楽しめる時、それがシーズンなのだ。
≪荒山さんのおすすめ“投げワカサギ釣法”≫釣りの途中に荒山さんが“投げワカサギ釣法”を披露してくれた。道具は同じで、仕掛けを遠くに飛ばし、徐々に手前に引いてくる狙い方は、シロギス釣りにも似ている感じ。「広く探れる釣り方です。ボートからでも、陸っぱりからでも有効な釣り方ですよ」と話していた。
▼釣況 管理事務所=(電)0287(47)1150。1日券は2200円。ボート代は2人乗り2500円、3人乗り3000円。釣期は12月29日まで。
◇大塚 ひとみ(おおつか・ひとみ)1993年(平5)生まれ、千葉県出身。NHKやウェザーニューズなどを経てフリーのアナウンサーに。釣り一家に生まれ、さまざまな釣りに挑戦中。