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短気な妻に55センチ“黄金アメマス” 短時間でフライローテーション 釧路市・阿寒湖

2024年07月04日 04:30

社会

短気な妻に55センチ“黄金アメマス” 短時間でフライローテーション 釧路市・阿寒湖
妻・千恵が55センチのアメマスをヒット。“黄金”に輝く1匹は25年前の自己記録を1センチ更新した Photo By スポニチ
 ルアー&フライフィッシングの北の聖地・北海道釧路市の阿寒湖で、アメマスを狙った。エゾイワナの陸封型で“黄金アメマス”と呼ばれるほど、多くの釣り人の憧れでもある。(バリバスフィールドスタッフ・吉田 俊彦)

 筆者が阿寒湖に特別な思いを抱いたのは、かれこれ30年ほど前に見た一本のビデオテープがきっかけだ。それは「モンカゲロウが羽化する日」というタイトルで、かのプロ釣り師の西山徹さん(享年52)が大きなドライフライで巨大なアメマスを狙うもの。そんな夢のような光景を体験したくて数年間通ったが、良い釣りをすることはなかった。しかし、このビデオがなかったら北海道の仲間たちと出会うことはなかっただろう。改めて西山さんに感謝したいと思う。

 6月初旬、筆者は道東の原野でシマフクロウ保護に関わる魚類調査があり、その後に妻・千恵と阿寒湖にフライフィッシングで立ち寄った。筆者は15年ぶり、妻にとっては実に20年ぶり。午前9時過ぎに温泉街の西側ワンドに到着した。北東の風が吹いていて、見れば無数のワカサギが接岸しているのに誰もいない。近くの桟橋にカラスがやって来て何かを狙っている。突然、筆者のキャストしたワカサギフライ目がけて急降下。狙いは弱ったワカサギだった。カラスに狙われないよう、沖合に投げたフライに水しぶきが上がった。阿寒湖の黄金アメマスはパワフルだ。やっと寄ってきた魚に見とれているとバレてしまった。風に乗ってモンカゲロウが流されてくるが何も起こらない。

 モワッとしたライズの手前に妻がキャスト。5、6回短くリトリーブするとグンと重い当たりでヒット。すぐさま彼女のロッドは満月に。重戦車のようなトルクで簡単には寄ってこない。水面直下に見えてきた魚影は巨大だった。ネットを手にしたが、いつの間にか集まった岸辺のギャラリーから「そんなネットじゃ入らないよ」との声。一気に緊張が高まる。

 ようやく近づき巨体をくねらせた瞬間、筆者のネットでランディング。体高の見事な55センチのアメマスだった。タックルは#5でロッドはバリバス・パワートレイル、リーダーは同スティルウォーター14フィート2Xを使用。ヒットフライは#8のタイガーマラブー。このフライはモンカゲロウのニンフを意識したもの。

 周囲の状況変化に合わせ、短時間でワカサギからゾンカー、そしてモンカゲニンフとフライをローテーションしたことが妻に幸運を呼び込んだ。釣りは短気の方が良いことが多いのである。

 ≪老舗で食べる絶品鹿肉丼≫阿寒湖温泉は夜に外食するのも楽しい。温泉街の路地をちょっと入ると、釣りの後でも間に合う飲食店がある。中でもお薦めなのがお食事処「味心(あじしん)」だ。旬の食材にこだわった老舗で、エゾシカ肉のスペシャリスト、AAOマイスターの資格を持つ店主が作った鹿肉丼(深山丼)は絶品。一度試してみる価値アリ。

 ▼釣況 フィッシングランド阿寒=(電)0154(67)2057。1日券は1500円。11月30日まで。バーブレス・シングルフック推奨。お食事処・味心=同(67)2848。

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