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初挑戦で40センチのアマダイ “もうけよりお客第一”船長のアドバイスでいきなり本命

2024年06月25日 05:30

社会

初挑戦で40センチのアマダイ “もうけよりお客第一”船長のアドバイスでいきなり本命
開始早々に40センチほどのアマダイを釣り上げた近藤竜二さん Photo By スポニチ
 【還暦からの釣り習い】釣りの楽しさとは何か?数や型を追い求めるのももちろん良いが個人的には海上で竿を握っている時の気分が優れるかどうかが最も大切。そんな希望をかなえてくれるであろう神奈川県の小網代・丸十丸でアマダイを狙った。(牧 元一)

早朝の釣り始めから間もなくミヨシ付近で大きな歓声が上がった。
 横浜市の税理士・近藤竜二さん(53)が釣り上げたのは40センチほどのアマダイ。本命をいきなり手にした近藤さんは「びっくりしました。掛かった時はサバかな?と思ったんです。アマダイを狙うのは今日が初めてですが、船長の教え通りに竿を動かしたら釣れました」と笑みを浮かべた。

 船長とは小菅裕二さん(64)。釣りに関するテレビ番組でよく見かける顔で、最近では9日放送の日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH!!」に登場し、強い個性を発揮していた。

 「オレは2、3歳の頃からオヤジの後を追いかけて当たり前のように船に乗っていた。子供の頃からお客さんとも接して、後片付けや掃除を手伝っていたけれど、何より船が好きで船がオモチャだった」と船長はほほ笑む。その陽気なキャラクターがこちらの気持ちを自然に明るくする。

 この船長には海上で客の気分を損ねないための根本的な方針がある。

 「うちが一番予約を断るんじゃないかな。風が強くても、もうけるために船を出すという考え方はある。でも、それではお客さんを後悔させることになる。だから、予約が入っていても、予報が悪い時はなるべく早めに断りの電話を入れるようにしている。オレたちの仕事はお客さんを楽しませ喜ばせることだ」

 小生にはつらい思い出がある。強い風が吹く日に船に乗り込んだことがあったが、高波に揺られて船酔いし、全く釣りどころではなかった。だから、船長の基本方針に大賛成。この日は天気に恵まれ、釣りに集中できた。

 「船長は格好良くなくちゃいけない。昔の船宿には“お客さんの前であまりきれいな格好をするな”という風潮があってボロボロのものを着ることが多かったけれど、今は率先してきれいなものを着るようにしている。お客さんに格好いいと思ってもらってファンになってもらわなくちゃいけない。お客さん自身もファッショナブルになれば釣りに出かける楽しさが増すはず」

 その方針を体現しているのが船長の次女・小菅結香船長(26)。彼女の船にも乗ったことがあるが、その操舵(そうだ)ぶりはりりしく、多くのファンを既に得ていることに納得した。

 「結香に教育はしていない。船のこと、自然のこと、お客さんへの目配り、気配りだけ教えた。お客さんとのコミュニケーションが良い勉強になって自立していっている。オレにとっても結香にとってもこの仕事は天職」

 この日の小生の釣果は約15センチのキダイ2匹、小型カナガシラ1匹、良型サバ4匹。生来の不器用さゆえに本命のアマダイこそ手に入れられなかったものの、初めて釣ったキダイの美しい魚体に満足感を得ることができた。

 「それは干してから焼いて食べるとうまいよ」と笑顔の船長。小生にとって釣りは結果より過程、環境、人間関係が大事だということを再確認する一日となった。 

 ≪番組制作もコーディネート≫小菅船長は「他の船宿がやらないことをやる」とテレビ番組出演に積極的で、この10年で関わった番組の数は「130本」。制作側からすれば「通常はADが担当するロケ弁当の注文や食リポ環境の手配など全てをコーディネートする」ところが魅力になっているようだ。

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