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“最後の手段”ソフトハックルで奇跡 51センチのハコスチ “北欧”でお手上げムードも 群馬県・野反湖

2024年08月31日 04:30

社会

“最後の手段”ソフトハックルで奇跡 51センチのハコスチ “北欧”でお手上げムードも 群馬県・野反湖
“最後の手段”ソフトハックルを漂わせて釣り上げた51センチのハコスチ Photo By スポニチ
 【釣りの旅】群馬県北部の分水嶺(れい)にある野反(のぞり)湖は、まるで北欧のような雰囲気を満喫できるフィールドだ。フライで狙うのは大型のニジマス「ハコスチ」。魚の気配は感じられなかったが、突然、奇跡が訪れた。(バリバスフィールドスタッフ・吉田 俊彦)

 1956年に完成した野反ダムによってつくられた野反湖。所在地は群馬県だが、その水は信濃川水系中津川の水源となっていて長野、新潟両県を経て日本海へ注いでいる。標高1500メートルの高地にあることから「天空の湖」として知られている。元々あった野反池がベースなダム湖だけあり、山々に囲まれた美しい景観は自然の湖と見まがうだろう。

 筆者はお盆休み、妻と長男と野反湖を訪れた。キャンプ場近くの駐車場に車を止めて、3人で入れそうなポイントを探す。人気のあるニシブタ沢のワンドにはすでに6人の釣り人がいた。誰もいないツツジ見晴らしの岬で、3人並んでドライフライをキャストしてみることにした。

 ハコスチを狙ったが、フライに飛びつく魚はフライが食べ切れないサイズ。ウグイのようだ。しばらくライズを探して湖畔を歩いたが気配すらない。車に一度戻ろうかと考えている時、ドボーンと派手な音が聞こえてきた。場所はニシブタ沢の方。ライズの音に導かれるように、急峻(きゅうしゅん)な湖岸を歩きニシブタワンドに向かった。

 だが、不思議なことにマス類が回遊しているようには見えない。しばらく観察していると、突然マスがかなりの深さから浮上して何かにライズしているように見えた。そして逃げるようにまた潜ってしまう。ライズがあった付近に素早くフライをキャストしても、魚は潜った後で反応なし。しかも何を食べているのかさえも分からず、お手上げムードが漂う。

 ひょっとして小魚を食べているのかと思いストリーマーを引いてみてもダメ。キャストするのがつらくなってしまい、テンカラ毛バリのようなソフトハックルを漂わせておくことにした。水面下にあるフライの糸フケを取るためラインを手繰ると、水面下でギラリと銀色の反射光。そのまま湖底に引き込まれそうな勢いでラインが出ていく。何度もジャンプして果敢に走るファイトはスチールヘッド系ニジマスの証。なんとか足場の良い場所まで誘導したところをランディング。

 バリバス・ティペット4Xを長めに使い、フライを漂わせたところ奇跡が起こった。ブルーバックになりかけの、51センチのハコスチだった。

 ≪バンガローなど場内は設備充実≫野反湖キャンプ場は、フィッシングパークとしての機能を兼ねていて、管理棟で遊漁券の購入もできる。場内にはバーベキュー場、バンガローなどの設備が充実。キャンプしながら野反湖で釣った魚を自分で料理して食べることができるのは、ファミリーキャンパーには大きな魅力だろう。

 ▼問い合わせ 野反湖キャンプ場=(電)090(5201)4782。入漁料は1日1000円、中学生以下は500円。10匹まで。遊漁期間5月1日~11月10日、イワナは9月20日まで。
 ▼交通 関越自動車道渋川伊香保ICから約90分。

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