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剛力58センチ・ストライパーで“野生磨き” 命の大切さを教える 宮城アングラーズヴィレッジ

2024年07月28日 04:30

社会

剛力58センチ・ストライパーで“野生磨き” 命の大切さを教える 宮城アングラーズヴィレッジ
滉介さんが釣った58センチのストライパーと、それを喜ぶ恵子さん。こういうツーショットは珍しくそして素敵! Photo By スポニチ
 【奥山文弥の釣遊録】「ワンパクでもいい、たくましく育ってほしい」というキャッチフレーズのCMが昔ありました。百獣の王・ライオンは我が子を崖から突き落としてはい上がらせ、野性を磨かせるとも言われていました。こんな考えで子供たちの狩猟本能を呼び起こすために、釣りは適していると思います。釣った魚を食べ、命をいただきますという行為は簡単です。しかし釣った魚の命は釣った人の手の中にあると、魚を丁寧に扱い、命を大切にすることを教えることも重要かと思います。

 赤城山麓にある「宮城アングラーズヴィレッジ」(前橋市)で行った巨大魚セミナーには、野島恵子さんが息子の佑斗さん(小6)と滉介さん(小3)を連れてきました。恵子さんはジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)公認の日本記録魚も釣り上げているスーパーレディーです。昨年までは筆者たちが2人に釣らせてあげていましたが、今年から自分で釣りなさいと母から離して1人ずつガイドをしました。なぜルアーに魚が食いつくのかという理由や、投げ方、引き方、ヒット時の合わせ、そして最も重要なファイトなど今まで経験したことを自力でやるのだと教えていました。そして最低3匹は釣ろう。「1匹目は神の恵み、2匹目はまぐれ、3匹目が実力」なのだと教えました。

 2人とも母の遺伝子を受け継いでいるためか、昨年までとは打って変わり成長していました。1匹釣り上げるまで我慢が強いられるところですが、滉介さんはたくましかったです。三上隼平さんがガイドしましたが、兄が1匹釣る間にバスを次々に釣り上げてコツをつかみ、3匹達成しました。最終的にはあの剛力なストライパーをヒットさせ、筆者たちは手伝わずに見事な58センチを釣り上げました。

 そしてバラしや、ブレークが続いた渡辺正博さんがやっとヒットさせた時も、いち早くネットを持って駆けつけてランディングアシストし「でかいね~」と褒めていました。筆者はそれを見て、兄よりも弟の方が釣りにハマったなとニヤニヤしたのでした。

 その後、安心したのか恵子さんもフライロッドを取り出し、ストライパーをヒット。この魚は対岸まで走っていくようなスプリンターでしたが、見事なロッドさばきで引き寄せ、この魚は佑斗さんがランディングしました。

 宮城アングラーズヴィレッジは管理釣り場ですから、さまざまな釣り方が楽しめます。バスのみでなくストライパーやアメリカナマズなどのようなパワフルな魚もいるので、子供たちと戦わせるには最適かと思います。親の成熟にも役立ちますが、そうでなくても優秀なスタッフが家族をアシストします。お父さんが慌てなくても子供は自分でなんとかするものだと、面倒見すぎで釣りにハマらない子供もいると釣り場のマスター・養田智美さんも言っていました。

 この夏休み、是非お出かけください。(東京海洋大学元客員教授)

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