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“秘境の宝”ヤマトイワナ 山梨・富士川の源流へ徒歩2時間 白い斑点がない魚体に出会えた

2024年07月14日 04:30

社会

“秘境の宝”ヤマトイワナ 山梨・富士川の源流へ徒歩2時間 白い斑点がない魚体に出会えた
午後から連続ヒットとなった高島さんと24センチのヤマトイワナ2 Photo By スポニチ
 【奥山文弥の釣遊録】山梨県の中央を流れる富士川の源流へ、イワナ釣りセミナーに行ってきました。富士川の上流には支流群が広がっていて、どの川に入ってもイワナはいますが、筆者たちが特に興味があるのはヤマトイワナです。ヤマトにはイワナ独特の白い斑点がありません。伊豆半島から紀伊半島の太平洋側に注ぐ大河川の源流部にほそぼそ生き残り繁殖している魚です。多くの川にニッコウイワナが放流されたことがあり、交雑してしまうためオリジナルのヤマトの遺伝子を持った魚はどんどん少なくなっています。筆者たちが行った川も下流域にはニッコウイワナ系統の魚は多数いて、最上流にはヤマトがいるとのことです。

 林道で車が入れる限界まで行くと既に2台駐車してあり、我々一行は3台目。そこから上流へ2時間ほど歩いて、午前8時から釣りを開始しました。フライは黒系のドライフライ。オリジナルのブラックモアや、漫画「釣りキチ三平」にも登場する山人黒バリをヒントに作ったパラシュート黒バリ。サイズは10番を中心に使いました。

 釣り人が多い山梨県のイワナなので、スレ具合も素晴らしいものでした。通常の渓流釣りポイントから魚は出てきませんでした。そこでルアーや餌釣りでは攻めにくい場所だけを選んで探っていきましたが、1回食い損ねると2回目がないというヤマメのような賢さです。もちろん水面に浮かぶフライ目がけて浮上してきますから魚は丸見えです。

 合わせ損ねたら魚はいることが分かっているので、繰り返して投げず、ちょっと休憩してフライやティペットを交換し、それでまた同じ場所を攻めるとやっとヒットしました。ただ一人の女性の中村渚さんは大喜びです。これで思い込みが強くなり、魚が出てくるたびに粘ってしまい、午前中はあっという間に過ぎてしまいました。

 ランチは他の3人と合流し河原で。瀬野泰崇さんもヤマトイワナを釣っていました。高島謙治さんは何度も出てくるけど掛からないという状況に苦悩していました。増水後の渓流は魚の食欲満点で釣りやすいはずなのに、釣り人の多さなのか技術的な問題なのか、魚はいるけど掛からないようです。

 午後は高島さんと一緒に釣り上がり、原因がフライにあることに気付いてパラシュート黒バリを使ってもらうことにしました。リーダーの長さも調整すべく新しいものに交換しました。これが奏功したのか、高島さんに良型がヒットしました。それだけにとどまらずその後も連発を経験し、さあこれからという時に残念ながらタイムアップ。安全を考慮し、早めに戻らなければならないので午後3時に下山を開始しました。

 参加者全員がヤマトイワナを手にしたので、満足度の高いセミナーになりました。(東京海洋大学元客員教授)

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