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テナガエビ沼にハマった“夏休み” 10センチ含む計9匹!!ハゼ3匹、カニ1匹も 千葉・利根川~花見川
2024年07月12日 04:30
社会
![テナガエビ沼にハマった“夏休み” 10センチ含む計9匹!!ハゼ3匹、カニ1匹も 千葉・利根川~花見川](/society/news/2024/07/12/jpeg/20240711s100933D2336000p_view.webp)
青々とした草むらに、風と共に聞こえる電車の音。帽子にはトンボが羽休めにくる。大きく深呼吸をして、さぁ始めよう。
小さな丸ウキが3つ付いたシモリ仕掛けに、タナゴ用の極小バリ。餌は赤虫を付けてポチャン。ブロック越しに見える濁りが入った水にゆっくりと沈んでいく。するとすぐに動きが。一番下の丸ウキが見えなくなっていくではないか。しめしめ。長い手で餌を運んでいるな。動きが止まり餌を口に運んだ瞬間がハリに掛けるタイミング。「よし、合わせは今か!?」。スカッ。まだ手に持っていたようで、うまく掛けることができなかった。く、くそう。これこそがテナガエビ釣りの醍醐味(だいごみ)。名前の由来である長い手が太公望たちの心を惑わすのだ。
その後も空振りは続く。野球ならもう何度アウトになったのか分からないほどだが、ついにプルプル。勢いつけてエビ反り合わせすると、待望の一匹が上がってきた。「エビいぃ」。あまりのうれしさで語彙(ごい)力を失う私。全長は約10センチで、約半分はある長い手はカマキリのような構え。一説によると、手が長いのはオスだけで、オスがメスを守るためにあるという。なんてロマンチックなのかしら。好感度爆上がり。さらに4匹を追加し、2時間で5匹釣ったところで、次のポイントへ向かった。
着いたのは、花見川の瑞穂橋(千葉市)。橋の下にあるコンクリートブロックの護岸をすみかとしている。海から近いこの場所は、磯の香りが漂い、潮風で肌がベタベタ。ほぼ、海だな、と思いながら仕掛けを投入すると、まずは魚の当たり。上がってきたのは、約10センチのマハゼ。秋にはこの周辺でハゼ釣りをするが、シーズン前なのになかなかの良型。一緒に揚げ物にしよう、とお持ち帰りを決めた。次の引きは本命・テナガエビ。おなかになにか付いてる?腹には粒状の卵がびっしり。釣りのシーズンと産卵期が重なったようだ。
2時間でテナガエビ4匹、ハゼ3匹。そして最後に追加ゲスト。グイグイ。荒々しく引いたのは、小ぶりのカニ。よく見ると護岸周りの土は穴だらけ。知らぬ間にカニマンションにお邪魔していたんだな。
釣り方、生態、釣り場所選び…奥深さに自由研究は終われそうにない。テナガエビ沼にハマった私は、最高のエビス顔で釣り場を後にした。
≪まるでスナック 素揚げ美味≫テナガエビの素揚げをおつまみにしようと、釣り場にエアポンプを持ち込み泥を吐かせながら帰宅。つまようじで口元の泥袋を取ってから揚げたところ臭みはゼロ。サクッとスナックのような歯ごたえで、塩やレモンをかけるとさらにおいしいのでお試しあれ。
▼釣況 ポイント千葉ニュータウン店=(電)047(497)6151。
◇大塚 ひとみ(おおつか・ひとみ)1993年(平5)生まれ、千葉県出身。フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局、栃木放送、ウェザーニューズを経てフリーに。釣り歴はカサゴなど小物釣りを中心に20年。