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“人情船”でスルメイカ4点掛け 全員安打の中で竿頭8匹 神奈川・腰越、飯岡丸

2024年07月08日 04:30

社会

“人情船”でスルメイカ4点掛け 全員安打の中で竿頭8匹 神奈川・腰越、飯岡丸
ズシリと伝わる重量に耐えスルメイカの4点掛けに成功! Photo By スポニチ
 【バイカー紗希の釣~りんぐ】125CCのバイクに乗って釣行するアウトドア大好きの釣りガール・中山紗希が訪れたのは、神奈川・腰越の飯岡丸。食味目当てにスルメイカの数釣りに挑戦したが、果たして結果は。

 釣りたてのスルメイカを船上でさばいて、干す。潮風に吹かれ半生に乾いたスルメは、うまみが凝縮されていてとにかくおいしい。帰宅後に飲むビールとの組み合わせは最高で、釣り人になってよかった~と感じられる瞬間だ。

 干しイカ用の竹串とハサミを持ったか何度も確認して飯岡丸に乗船。航程40分で城ケ島沖に到着した。シーズン序盤の水深は90メートル、オモリ120号で狙えるのがうれしい。スルメ釣りではオモリ150号を使用することが多いが、重い分だけ途中で疲れてしまって、人の釣ったイカの“干し係”になることになる。最後までシャクり続けたことは一度もないんですよ。

 船が止まり「反応は下だね。底から10メートル上くらいを見て」と三浦徳人船長のアナウンスで一斉に仕掛けを投入。1年ぶりのスルメ釣りなので、シャクり方はこれでいいんだっけ…と頭に「?」を浮かべていると、ズシッと竿に衝撃が伝わった。小型ながら2匹がツノを抱えて上がってきた。これで取材成立。ホッとひと息つく間もなく、早速イカを干す作業に。その後も流し替えのたびに誰かの竿が曲がる釣れ具合で、早くも船中全員安打を達成した。

 オモリを着底させ聞き上げると、竿先が震え両手で持っていられないほどの重量感。「重い、たくさんいる」と大騒ぎしながら巻いていたが、周りの反応は冷ややか。なぜって?直前に2点掛けらしい当たりがあり、大騒ぎしながら巻き上げてきたら途中で全バラシ。船上はまたかという雰囲気に包まれており、逆風上等!重みに耐えて道糸をたぐると、ツノ8本の直結仕掛けに付いていたのは4匹のスルメ。一気に釣果を伸ばすことに成功した。あいにく午後から風が強くなる予報だったため、残念ながら午前11時45分に早上がりとなり、計8匹で竿頭に輝いた。

 飯岡丸の常連は温厚な人が多く、船上は穏やかな空気感が流れる。この日は空振り大騒ぎ以外にもいろいろありまして…。持参した冷やしラーメンを食べようとして中身をぶちまけてしまったときに「食べる物はある?」と聞いてくれた方や、おにぎりや清涼飲料水を分けてくれた方など、本当に優しい人ばかりだった。

 心地よさに浸っていると、三浦船長が「友の会の初代会長のおかげだよ」と教えてくれた。「友の会」とは、三浦船長の父・一浚船長がかじを握っていた頃に発足した飯岡丸の愛好会で、現在は常連約70人が所属している。中乗り兼常連として乗船していた神奈川県鎌倉市の近藤謙さん(60=自営業)の父親が初代会長だったのだそう。受け継がれた歴史と、スルメイカ4点掛けの重みを感じられた素晴らしい体験となった。

 ≪“干物計画”中止≫船上でイカを干す時間が足りないと思い、干物ネットを持参した。バイクのミラーにネットをぶら下げ、海沿いを走行して干物を作りながら帰るつもりが、出発早々に小雨がパラつき計画はパー。次回は干物とタンデムできるシステムを構築して挑もう。

 ◇中山 紗希(なかやま・さき)1992年(平4)生まれ。都内の会計事務所に勤務する傍ら125CCのバイクで釣行。日本百名山全山踏破にも挑戦しているアウトドアラー。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、腰越・飯岡丸=(電)0467(31)1560。出船時間は午前6時半、乗合料金は氷付き1万1000円。カサゴ船も出船中。

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