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27センチのイワナと感動ファイト

2024年08月25日 05:30

社会

27センチのイワナと感動ファイト
下畑さんの27センチはサイトフィッシングでヒット Photo By スポニチ
 【奥山文弥の釣遊録】台風7号が去ったお盆休みの最終日。増水が収まっていることを期待して東京・多摩川上流へ野生イワナを求めて釣りに行きました。未明に本命の川に到着すると、先行者はなく筆者たちが最初でした。これはしめたと喜び、明るくなるのを待って川を見てみると、まだ茶色く濁って釣りができない状態でした。別の支流へと向かいましたがそこもアウト。3カ所目でやっと増水が収まり、水も澄んでいた沢を見つけたので、そこで釣りをすることにしました。

 この日は最初からフライとルアーの二刀流。淵はルアーで、瀬や落ち込み脇はフライで効率よく攻めようと思いました。まずはルアーで探りを入れます。10投しないうちにヒットがあり、20センチ弱の可愛いイワナが釣れました。

 それからは同行者の下畑剣一郎さんがフライで浅瀬を、筆者がルアーで淵を探り、川を上って行きましたが、2匹目がルアーにヒットした時は開始から既に2時間がたっていました。増水後とはいえ、さすが超激戦区、簡単には釣れません。魚は時折フライに浮き上がりますが、見事に見破っていきます。ルアーも追いかけてきますが食いつきません。

 しかし、倒木の下に定位するイワナを見つけ、下畑さんがドライフライで見事に釣り上げました。それは27センチという立派なサイズでした。それにしても淵の中からヒットする魚が少な過ぎます。その後いくつかのヒットを得たりバラしたりしましたが、前の日にベテランが入って釣ってしまったのではないかと思うほどでした。

 筆者もフライをしてみたくなって、ドライフライを投入すると、魚は浮いてくるのですが食いつきません。やっとヒットした魚は本日最小の15センチほどのイワナでした。滝つぼから続く岩盤際に気配を感じたので、同じフライを何度も流すと、そのうちフライは沈んでしまいました。それをテンカラのようにツンツンと動かしたら、ググッという当たりを感じたので、素早く合わせるとロッドがギューンとしなりました。ヒットです。食いつくのが見えませんでしたから、魚のサイズは分かりませんが大きそうです。

 魚は淵の中を走り回り、渓流でこんないいファイトができるなんてと感動するとともに、バレないでくれと祈りながら引き寄せました。ネットインした魚を、ちょっと明るい場所に持っていき撮影してもらいました。これも27センチ。ルアーよりもフライでいいサイズが釣れたことに驚きです。

 時計を見ると既に午後1時を過ぎていました。退渓場所まで急がなくてはなりません。途中に良さそうな場所がたくさんありましたが、それらを飛ばして歩き、最後は崖を登り午後2時には林道へ出ることができました。

 この夏の猛暑で、涼しい山奥、源流へ何度も出かけています。遠征することなく、近場の多摩川でも楽しめるほど魚がいることが分かりました。残暑が収まるまでしばらく源流通いが続きそうです。(東京海洋大学元客員教授)

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