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海底調査の空き時間に堤防で“遭遇” 3・43キロ珍魚ネズミフグで日本記録認定 一撃でヒット!!

2024年09月08日 04:30

社会

海底調査の空き時間に堤防で“遭遇” 3・43キロ珍魚ネズミフグで日本記録認定 一撃でヒット!!
怪魚というか珍魚というか…初めて出会ったネズミフグが日本記録認定されうれしかった Photo By スポニチ
 【奥山文弥の釣遊録】ちょっと前のお話ですが、伊豆諸島・三宅島の海底調査に行きました。空き時間に堤防で釣りをしていると、ノタノタ泳いでいる大きな影を見つけ、マルキユー「くわせオキアミ」を餌に投入すると一撃でヒット。その魚はとても鈍調な抵抗で、しかしちょっと重くドラグを引き出されながらもリールを巻いてネットに収まりました。最初はイシガキフグかと思いましたが、同行者で珍魚に詳しい武内俊さんがネズミフグだと教えてくれました。重さを量ったら3.43キロあり、念のためと調べたらジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)の日本記録を超えていました。申請から2カ月後、公式記録として認定されました。

 ところで日本記録って何?と思われる方も多いことでしょう。スポーツ同様、釣魚の記録を審査しているのがJGFAです。自分の記録が公式記録として残るのですから凄いと思いませんか?場合によっては、それがそのまま世界記録になることもあります。釣れれば何でもありではなくルールを設けています。基本は魚と対等に1対1でフェアに戦うことで、人に手伝ってもらったり、竿掛けに掛けたままのファイトはNGです。電動リールもアウトです。難しいことはありません。

 メジャーな魚にはラインクラスが設定してあり、1キロクラス(2ポンド)ラインから、魚種や釣り方によって60キロクラス(130ポンド)まであります。タックルのコンベンショナルの部と、フライフィッシングの部で男女に分かれていて、さらにジュニアクラスというのもあります。それ以外の魚はオールタックルクラスといって、60キロテスト以下のラインで釣った魚の最も大きい(重い)魚が記録されます。今回のネズミフグはオールタックルです。

 イヤーブックや公式サイトを見てもらえば分かりますが「これならチャレンジできる」と思えそうなまだ記録が小さい魚もいますが、メジャーな魚は「チャンスは薄い」と諦めたくなるような大物までが記録されています。例を挙げるとキハダは24キロクラス(50ポンド)で82キロ。今のPEラインですと2.5号です。淡水のニジマスは2キロクラス(4ポンド)で5.09キロですが、女子だと1.7キロです。4ポンドはナイロンやフロロだと0.8号ぐらいですから、まだチャンスはありますね。記録は女子の方がおおむね小さいのですが、クロカジキ(ブルーマーリン)は24キロクラスで男子が244キロ、女子は何と428キロです。この魚は同時にオールタックル日本記録、つまり日本一のサイズであり、さらに女子24キロクラスの世界記録にもなっています。

 読者の皆さんがさりげなく釣った大物は、実は未来に残る記録魚かもしれません。ここまで言ってっておいてなんですが、オールタックルは誰でも申請できますが、ラインクラスは会員になっていないと申請できません。

 大物を記録として残す。承認欲求を満足させる以上の名誉があることは言うまでもありません。(東京海洋大学元客員教授)

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