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「14代目アングラーズアイドル」西村美穂 タチウオでつながる輪
2024年08月12日 04:30
社会
「アングラーズアイドルに就任した時、釣りの初心者でした」
同アイドルは一般社団法人「日本釣用品工業会」が2010年から“釣り業界のイメージガール”を選ぶコンテストのこと。優勝者は1年にわたり、さまざまなメディアで釣りの魅力を発信する役割がある。
「仕事としては、初心者でも釣れそうなところに行って記事を書くことが多かったのですが、人生初めての船釣りで狙ったのがマダイでした。最初のうちはハリに餌をつけること、タナを取ることに苦労しました」
初心者として当然、オデコになることも考えられたが、運か実力か、最初から結果が出た。
「2匹釣れました。そんなに大きくなくて、たぶん20センチくらいだったと思いますが、初心者でも釣れるんだ!という感動が大きかったです」
マアジ、タチウオ、マゴチなど、さらに海を離れてニジマスも狙った。
「タチウオが最も印象に残っています。釣り上げた時、大きい!と思いました。歯がいかついけれど、見た目がきれい。私が8匹、一緒に行った友人が5匹。家でムニエル、刺し身、塩焼き、唐揚げにして食べました。私は料理が得意なわけではないですが、アングラーズアイドルになって魚をさばけるようになりました」
芸能事務所に入ったのは、小学2年生の時からの夢だったアナウンサーへの道を切り開くためで、その研究熱心さは釣りの場でも生かされた。
「船に乗って船長さんから釣り方のレクチャーを受けた時、船長さんの動きをスマホで撮影させてもらって、その画像を見ながら釣りました。レクチャーには初心者には分かりにくい専門用語がたくさん出てきたのですが、分かるふりをしないで、率直に“それはどういうことですか?”と聞きました」
船の上では釣果以外の楽しみがあった。それがアングラーズアイドルとして体感した釣りの魅力でもある。
「世代、性別を超えて人とつながれるのが魅力だと思いました。船に乗ると、周りの人たちと助け合わないとうまくいかないことが多くて、そんなコミュニティーが海の上で成立しているのがすてきだと思います。タチウオを釣った時、隣に50代くらいの常連さんがいて、いろいろ教えてもらい、タチウオも分けてもらいました。普段、その世代の人と話す機会があまりないので貴重な経験でした」
アングラーズアイドルを離れても釣りへの情熱は冷めていない。
「この半年は就職活動に没頭していましたが、9月か10月に(神奈川県)逗子の方に深海ザメを釣りに行く予定です。釣りの仕事で仲良くさせていただいている“深海魚ハンター”と一緒です。深海ザメは唐揚げにして食べるとおいしいらしいので、釣って食べて、それをまた発信できればいいなと思っています」
《業界発展のために初心者の壁なくす》
◯…釣り業界の発展に必要なのは「初心者の前にある壁をなくすこと」と指摘。例えば自動車の運転免許証を持っていない人は、船宿に行く時や釣った魚を持ち帰る時に苦労することが多い。「業界の方から良い方法の情報を発信していくことが大事」と語った。
◇西村 美穂(にしむら・みほ)2002年(平14)9月2日生まれ、東京都出身の21歳。22年6月から芸能事務所「スペースクラフト」に所属。23年1月、アングラーズアイドルに就任。現在、立教大学4年生。