ドジャース・大谷 水原被告有罪認める答弁受け「事件に終止符を打ち、前に進む時期が来た」

2024年06月06日 01:30

野球

ドジャース・大谷 水原被告有罪認める答弁受け「事件に終止符を打ち、前に進む時期が来た」
<パイレーツ・ドジャース>試合中、ベンチの大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 ドジャースの大谷翔平投手(29)の元通訳、水原一平被告(39)が4日(日本時間5日)、カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁に出廷し、同投手の銀行口座から金を盗んで不正送金したとする銀行詐欺などの罪を認めた。量刑言い渡しは10月25日(同26日)。事実上、事件に終止符が打たれたことで大谷、ド軍はそれぞれ声明を発表し、悲願のワールドシリーズ制覇へ向けて再出発することを改めて誓った。
 水原被告が出廷した西海岸のサンタアナの連邦地裁から、約3400キロ離れた北東部のピッツバーグ。大谷はいつも通り笑顔を貫き、自身のリスタートに安堵(あんど)したようだった。

 同被告は大谷の銀行口座から約1659万ドル(約26億円)を盗み、賭博の胴元側に不正送金したとする銀行詐欺などの罪を認めた。それを受け「私および家族にとっても重要な終結を迎えることができた。事件に終止符を打ち、前に進む時期が来たと思っている」との声明を発表した。

 同被告による違法賭博問題は3月20日の開幕戦後に発覚した。大谷はこの2カ月半を「非常に複雑で困難な時期だった」と言及。「絶え間ない支援を続けてくれた僕のサポートチームに感謝している」と、家族や球団に謝意を示した。62試合を消化して、ようやく野球に専念できる状況に。「チームの一員として少しでも勝利に貢献できるよう集中していきたい」と揺るがぬ決意を示した。
 MLBは大谷を「被害者」として調査終結を発表。ド軍は「問題を過去のものとし、ワールドシリーズ(WS)制覇を目指して前進できることは喜ばしい」と声明を出した。

 同被告の有罪答弁には、法廷の収容人数100人が埋め尽くされた。手続き上の理由から5月の罪状認否ではいったん無罪を主張。この日は表情を変えることなく、虚偽の納税申告を含め「有罪です」と小声で罪を認め、「賭博で負債を抱えてしまった」と淡々とした様子で語った。自身の犯罪を説明する場面では大谷を「被害者A」と呼び、大谷の口座の金が、違法スポーツ賭博で抱えた借金を返済する「唯一の方法だった」とも語った。

 連邦地裁は、水原被告の量刑が禁錮刑となった場合、刑期終了後に日本へ強制送還される可能性があると明かした。量刑は最長で禁錮33年だが、検察は被告との司法取引に基づき刑の軽減を要請。米国の司法記者は、禁錮7~9年ほどになるとの見方を示した。

 量刑言い渡しは10月25日。WSの日程は正式発表されていないが、期間中の可能性が高い。自身初のポストシーズン進出、そして夢のWS制覇へ。親友に裏切られたショックに別れを告げ、大谷は前だけを見て突き進む。(笹田 幸嗣通信員)

 【大谷の声明全文】

 捜査が完了し、罪も全て認められた今、私および家族にとっても重要な終結を迎えることができました。

全ての証拠を完全に明らかにしながら、これほど徹底的かつ効果的な調査を迅速に遂行してくれた当局の方々に心から感謝したいと思います。

これは僕にとっても非常に複雑で困難な時期でした。

この間にずっと絶え間ない支援を続けてくれた僕のサポートチームに感謝しております。

家族、代理人、エージェンシー、弁護士、そしてドジャースの組織全体に感謝しております。

この事件に終止符を打ち、前に進む時期が来たと思っています。

これからもこのチームの一員として少しでも勝利に貢献できるよう集中していきたいと思っております。

これからもよろしくお願い申し上げます。

 ▽水原一平被告の違法賭博事件 ドジャースの韓国遠征中の3月20日、大谷の専属通訳だった水原一平被告の違法賭博問題が発覚。同被告はド軍に解雇された。賭博の借金返済のために大谷の銀行口座から1600万ドル(約25億円)以上を送金。1万9000回以上スポーツ賭博に賭け、約4068万ドル(約63億5000万円)の損失を抱えていたという。大谷自身は同25日の会見で違法ブックメーカーへの送金も含めた関与を完全否定。同被告は銀行詐欺容疑などで訴追され、4月12日にロサンゼルスの連邦地裁に出廷。5月14日の罪状認否では、手続き上の理由で形式的に無罪を主張していた。

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