このゆびと~まれ
【第17回】食の安全を地域の人と考える③
2020年06月22日 05:00
社会
この取り組みは2018年度から始めています。日頃、お世話になっているボランティアの方を招いて、一緒に手まりずしを作っています。本当は郷土料理の押しずしを作りたいのですが、残念ながら小学校では、生ものが取り扱えません。限られた食材で、アレルギーなどの確認も徹底します。
自分たちで作った米をおいしくいただくために田植え、稲刈りをたてわりグループごとに分かれて実施します。初年度は手間取りましたが、2年目になると児童や教師たちもテキパキ準備して実習活動ができるようになりました。
それでは、その手順を説明しましょう。
(1)テーブルごとに必要な材料を準備します。
(2)グループごとに分かれて、炊きあがったご飯に具材を投入し、混ぜます。
(3)ラップフィルムの上にご飯を置き、彩りのために錦糸卵などを乗せます。
(4)ラップフィルムをくるくる巻いて、手まりずしの完成です。
(5)みんなでおいしくいただいて、ごちそうさま。
こうした活動を通して、保護者や地域の方々に学校の様子を知ってもらい、児童たちのがんばりを大人が共有できるようにしています。
そして児童たちは生産から消費までの行程を、人とのつながりを通して知ることで、より深く食べ物や生産者への感謝の気持ちが育まれます。
また、深日(ふけ)小名物となった、全校児童による地域との〝コラボレーションシリーズ〟は、複数の財団から助成金を受け、円滑にできるようにサポートをいただいています。
では、今回はこのあたりで。このゆびと~まれ。
(岡田 良平)(次回掲載は29日)
【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。