このゆびと~まれ
【第24回】岬町の課題をひとのつながりで解決したい(1)
2020年08月10日 05:00
社会
しかし車社会の浸透と明石海峡大橋の開通でフェリーが廃止され、多奈川線の利用者も減少しました。それと同時に町内を走るバスの運営業者が変わり、現在では岬町がコミュニティーバスの運行をしています。
どちらも通勤、通学で利用されるだけでなく、ご高齢の方の貴重な移動手段です。
そこで、深日小の児童たちが中心となって、多奈川線とコミュニティーバスの利用調査をし、町の公共交通機関を盛り上げるイベントを企画しました。
このプロジェクトには、地域の方をはじめ、南海電鉄、エコモ財団、岬町役場、岬町教育委員会、和歌山大の学生、関西大や龍谷大の大学教授らが協力してくれました。
児童たちが家族や地域の方にアンケート調査を行った結果、ご高齢の方が病院や買い物などに利用していることがわかりました。
利用者が減り続けるなかで、公共交通機関の大切さについて考え、児童たちのアイデアで町を盛り上げる方法を考えました。
多くの意見が集まる中、ある児童が「駅にみんなで落書きをしたらどうかな」と提案しました。
南海電鉄との交渉の結果、なんとOKをいただきました。地域の課題を知り、いろいろな方々と協働して課題解決に取り組むことができました。
それでは、今回はこのあたりで。このゆびと~まれ。
(岡田 良平)(次回掲載は17日)
【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。