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【第96回】1500年前にタイムスリップ(その2)

2021年12月27日 05:00

社会

【第96回】1500年前にタイムスリップ(その2)
土塀の中には何がある??? Photo By スポニチ
 みなさん、こんにちは。深日小の岡田です。
 淡輪(たんのわ)の街並みを探訪する探検隊は、小川隊長の指令に、子どもたちが発見したものがありました。

 それは土塀です。ある民家にある土塀を見て、『昔』を感じ取った子どもたちは、普段目にする塀とはちがうおもむきに興味津々です。

 「昔の人は大切なものを土塀に埋めて隠していた人もおるんやで」

 隊長の話に、みんなびっくりしていました。
 その後、地域の祠(ほこら)や神社などをめぐり、いよいよ古墳探検です。

 気にしなければ、ただの小さな山にしか見えませんが、入り口には立ち入り禁止のフェンスがあります。

 隊長がみんなで古墳調べをした画用紙を元に野外授業を始めました。

 「ほんまによう調べたなあ」

 「まさか雄略(ゆうりゃく)天皇のことまで掘り下げるとは思ってなかったで」

 「この図はわかりやすいなあ」

 子どもたちの力作を絶賛してくれる隊長と松本副隊長。

 隊員たちも自分たちが調べた内容が目の前にあるとなると授業にも熱が入ります。

 そして、いよいよ現地調査の開始です。

 うっそうと生い茂る木々。ポカポカ陽気だったのに敷地内に入るとひんやりしています。そこは1500年以上前にこの地にいた人たちがつくった場所なのです。

 「あっ、あそこって隊長が言うてた古墳のつくり出しの部分とちゃう?」

 「ほんまや、同じ形やん」

 フィールドワークだからこそ感じられる発見もできました。

 そして隊長たちが持ってきてくれた埴輪(はにわ)の出土品を見せてもらい、特別に触らせてもらいました。

 その感触を残したまま、隊長がひと言。

 「もしかしたら見つかるかもしれんで」

 必死に捜索活動を繰り広げる隊員たち。

 あっという間に、探検隊の活動時間も終了となってしまいました。

 最後の最後まで足元を丹念に見つめて出土品を探す子どもたちの姿が印象的です。

 子どもたちの学習は今後どのように深まっていくのでしょうか。

 次回をお楽しみに。このゆびと~まれ。

               (岡田 良平)(次回掲載は1月3日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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