このゆびと~まれ
【第94回】岬町は魚の通り路
2021年12月13日 05:00
社会
今回は釣り好きの人には、まさに聖地とも言える場所なのかもしれません。
その名も「とっとパーク」です。
「とっと」とは小さい子が魚のことを「とっと」、「とと」と呼ぶところから名付けられたのですが、この施設は岬町の多奈川地区にあります。
海釣りの方には有名な場所で、1年を通してさまざまな魚種が釣れ、魚影も濃いことで多くの“釣り天狗”たちでにぎわっています。
この「とっとパーク」は関西国際空港の第2期工事(第2滑走路)建設の際に、岬町から採掘された土砂を、ベルトコンベヤーで運搬する際の施設を転用したものです。
子どもたちは海の近くに住んでいるのですが、あまり魚釣りをすることはないようで、施設見学を担当してくれた西藪さんの説明にも興味津々でした。
まず子どもたちが驚いたのが、そのロケーションです。
完全に海の上!!!!
足元が格子状の鉄板になっているところだと、まるで海上を歩いているような感じです。
この日は風も強かったのですが、和歌山の友ケ島、兵庫の淡路島、大阪の関西国際空港と、どこもはっきりと見えました。
社会見学に来た子どもたちに親しく声をかけてくれる〝釣り天狗〟たち。この日はグレやイカなどを釣った方が多かったようです。
施設の中には、巨大な魚拓がいくつもあり、子どもたちの足元には大物が潜んでいることがわかります。
子どもたちも質問では、
「いつの時期がよく釣れますか?」
「私たちは釣りをしないんだけど、初心者でもおすすめできる魚はなんですか?」
気づいたことを聞いています。
ずばり、西藪さんのおすすめは夏休み期間中の平日にアジ釣りをすることだそうです。
むちゃくちゃ暑いのだそうですが、やはり魚は釣れてこそ楽しい!
だから、よく釣れる真夏に十分な準備のもとサビキ釣りをしに来てほしいとのことです。
最後に、西藪さんは「この施設がある場所は、昔から魚の通り路なんです。漁師さんたちも知っていて、次から次へと魚がやって来る場所なんです。だからこそ、海を大切にしてほしい。ゴミがない海にしていきましょう。」と話してくれました。
古くからの魚の通り路というかけがえのない財産を大切にしていきたいですね。
今回はここまで。このゆびと~まれ。
(岡田 良平)(次回掲載は20日)
【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。