このゆびと~まれ
【第21回】地域に伝わる『逆(さか)ことば』を訪ねて…」
2020年07月20日 05:00
社会
特に漁師さんが多く住む地区を中心に使われてきたのですが、近年ではほとんど聞くことがなくなりました。
そこで2019年度の6年生は、この逆ことばをテーマに学習しました。
深日地区独自の言葉であるにもかかわらず、児童たちのほとんどが知りませんでした。
そこで、地元で逆ことばに詳しい南喜作さん、富山大の中井精一教授、岬町教育委員会生涯学習課の方にアドバイスをいただき学習を進めました。
南さんを学校に招き、逆ことばを教わり、実際に使ってみました。本来、方言は生活の中で身につくものですが、逆ことばは「学校で教わる」ものにしないと伝統を守っていけない状況になっています。
児童たちに南さんが訴えたのは「逆ことばを面白半分に使ったらあかん」ということでした。
何でも逆に言えばいいというものではありません。逆に言うことで笑いが生まれる。逆ことばの根底にあるのは、お互いを大切に思い、コミュニケーションを深めるための表現なのです。相手を傷つけるようなことは言わないという暗黙のルールがあるのです。
児童たちもこの学習を通して、より地域への愛着を深めてくれたと思います。
では、今回はこのあたりで。このゆびと~まれ。
(岡田良平)(次回掲載は27日)
【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。