このゆびと~まれこのゆびと~まれ

【第18回】いきいきサロンに出前授業

2020年06月29日 05:00

社会

【第18回】いきいきサロンに出前授業
自治区ごとの集会におじゃましてストレッチをしています Photo By スポニチ
 地域の方たちが、児童たちのために学校を盛り立ててくれるようになって、いろいろな方が訪れてくれるようになりました。
 多くの交流の中で、われわれ教員たちも有志となり、地域のご高齢の方の集まりに訪問し、出前授業を行うようになりました。

 深日(ふけ)小の校区内には20の自治区があり、「いきいきサロン」とよばれる集会があります。地域のご高齢の方たちに声をかけ集まってもらい、一緒に歌ったりし、交流する場として機能しています。

 ときには特殊詐欺に引っかからないように注意喚起する、大阪府警による被害防止講習会なども行われたりします。

 私たちは座ったままでもできる簡単なストレッチや体操を一緒にやって楽しんでもらっていました。最初はストレッチだけだったのですが、もっと楽しんでもらうためには、どうしたらいいかを考えました。

 そこで地域の方々の活動や、生活の場であった岬町や和歌山市内の昔の写真をプロジェクターで大きく映し出して、昔の思い出話に花を咲かせてもらうことにしました。

 とても好評で「若いころ遊びに行ったなあ」、「ここは○○銀行のとこやん」、「あー、駅前にあったなあ」など、いっきに会話が弾みました。

 たった数枚の写真で、昔の記憶がよみがえり、楽しそうに笑ったり、懐かしんだりする様子を見て、こちらもとてもうれしくなりました。

 そして、ふと感じました。ストレッチで体を動かすだけが健康じゃないんだ。記憶や心を動かすことでリフレッシュすることも元気になるために大切だということです。

 たまたま機会があって参加を始めた取り組みですが、口コミで広まり、多くの地区から誘いを受けるようになりました。

 児童たちだけでなく、ご高齢の方たちにも元気になってもらいたい。そして学校や児童たちのことを知ってもらい、気にかけてもらうことが地域に根差した学校づくりの第一歩だと感じています。

 「いきいきサロン」でのつながりが、すてきな梅の花を咲かせました。さて、どういうことでしょう。それは次回のお楽しみに。

 今回はここまで。このゆびと~まれ。
     (長根わかば)(次回掲載は7月6日)
 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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