Mr.マリック ハンドパワー生み出す50年以上続ける寝起きの“指トレ”脳の活性化で認知症予防にも
2024年02月09日 05:00
芸能
両手を美しく保つため、今気に入っているのは、息子の嫁が韓国旅行の土産にくれたハンドマスク。ビニール手袋の中にクリームがたっぷり入っているので、手を入れて一晩寝るだけで翌朝しっとりします。
日常生活では重い物も持たないよう気をつけています。指の付け根が赤ちゃんの肌のように、ふっくらしていないと、隙間からタネが見えちゃうでしょう。奥さんと一緒に買い物に行った時でも、荷物を持たないので「ひどい旦那」と思っているはずですよ。
観客の注目を集める両手。隅々まで神経が行き届くようにするのは、演出のためでもあります。持っていたコインがパッと消えたのか、フワッと消えたのか。僕らマジシャンは言葉ではなく、手に表情を付け、手で会話をしているので、その動かし方にも工夫が必要。マジシャンの手になるまでは、10年かかるんです。
好きな物を食べて好きな仕事をすることが僕の健康法。特別な運動はしていませんが、移動時は速歩で歩くことを心がけています。スマートフォンに歩数計の機能が付いているので、歩数も意識していますが、毎日5000歩が限度。距離を稼げない代わりに、ササササッと素早く動くようにしています。瞬発力はマジックの舞台でも大事な要素。相手の動きを読んで動く剣道など、若い時の経験も舞台に生かされています。
世界王者になり「これで成功できる」と安堵(あんど)した23歳の時。初代・引田天功さんの弟弟子だった島田晴夫さんのスケールの大きいマジックを見て「僕は100年たっても、あの舞台には立てない」と打ちのめされました。「やめよう」と夜逃げをして岐阜に逃げ帰ったけれど、マジックをしている時の高揚を忘れることはありませんでした。マジシャンは免許のない仕事。天功さんに言っていただいた「プロには明日にだってなれる。でも一流になる気がないならやめろ」という言葉は、今も胸に刻まれています。30年以上やったら天職といわれる中で、50年以上続けてこられたのは幸せなことです。
≪今春開催3都市マジックショー パフォーマーLUNAと父娘初共≫3月20日から「スーパー4Kマジックショー Mr.マリック超魔術団2024」を東京、滋賀、大阪の3都市で開催する。パフォーマンストリオ「D3」のメンバーとしても活躍する娘で歌手のLUNA(43)と初共演。「お客さんをとことんいじりまくる娘がつくり上げたエンターテインメントと、僕の一点集中型の超魔術は、真逆に位置しているけれど、融合させることで間口が広いショーになる」と確信している。観客参加型のプログラムでは、会場全員でマリックの代名詞でもあるスプーン曲げに挑戦する。「パッと曲がる瞬間は、好きなものをやる時に出る瞬発力。体感しに来て」と呼びかけた。
◇Mr.マリック(みすたー・まりっく)1949年(昭24)生まれ、岐阜県出身の75歳。88年に日本テレビ系のバラエティー番組「11PM」でテレビデビュー。唯一無二のパフォーマンスは「超魔術」と注目され「きてます」「ハンドパワー」などの決めゼリフは流行語に。芸名は「マジック」と「トリック」を合わせた造語。