Mr.マリック ハンドパワー生み出す50年以上続ける寝起きの“指トレ”脳の活性化で認知症予防にも

2024年02月09日 05:00

芸能

Mr.マリック ハンドパワー生み出す50年以上続ける寝起きの“指トレ”脳の活性化で認知症予防にも
毎日欠かさない指のストレッチをみせるMr.マリック(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は「きてます」「ハンドパワー」などの流行語を生み出したマジシャンのMr.マリックさん(75)です。剣道に打ち込んでいた高校時代にマジックに魅了され、社会人を経てプロの道へ。昨年、デビュー35周年を迎え「この仕事は天職」と胸を張ります。起床直後に行う指のトレーニングが“物言う魔法の手”を生み出しました。(構成・西村 綾乃)
 指が命の商売。毎朝目が覚めたら、ベッドから体を起こすよりも前に、10本の指を動かします。第2関節を90度に曲げ、伸ばす体操を親指から。世界中のマジシャンが会する「環太平洋マジックアソシエーション」のクロースアップ部門で世界一になった23歳の頃から続けています。指と脳は支店と本店の関係ですから、しっかり動かして脳を活性化すれば、認知症の予防にもなると思うんです。

 両手を美しく保つため、今気に入っているのは、息子の嫁が韓国旅行の土産にくれたハンドマスク。ビニール手袋の中にクリームがたっぷり入っているので、手を入れて一晩寝るだけで翌朝しっとりします。

 日常生活では重い物も持たないよう気をつけています。指の付け根が赤ちゃんの肌のように、ふっくらしていないと、隙間からタネが見えちゃうでしょう。奥さんと一緒に買い物に行った時でも、荷物を持たないので「ひどい旦那」と思っているはずですよ。

 観客の注目を集める両手。隅々まで神経が行き届くようにするのは、演出のためでもあります。持っていたコインがパッと消えたのか、フワッと消えたのか。僕らマジシャンは言葉ではなく、手に表情を付け、手で会話をしているので、その動かし方にも工夫が必要。マジシャンの手になるまでは、10年かかるんです。

 好きな物を食べて好きな仕事をすることが僕の健康法。特別な運動はしていませんが、移動時は速歩で歩くことを心がけています。スマートフォンに歩数計の機能が付いているので、歩数も意識していますが、毎日5000歩が限度。距離を稼げない代わりに、ササササッと素早く動くようにしています。瞬発力はマジックの舞台でも大事な要素。相手の動きを読んで動く剣道など、若い時の経験も舞台に生かされています。

 世界王者になり「これで成功できる」と安堵(あんど)した23歳の時。初代・引田天功さんの弟弟子だった島田晴夫さんのスケールの大きいマジックを見て「僕は100年たっても、あの舞台には立てない」と打ちのめされました。「やめよう」と夜逃げをして岐阜に逃げ帰ったけれど、マジックをしている時の高揚を忘れることはありませんでした。マジシャンは免許のない仕事。天功さんに言っていただいた「プロには明日にだってなれる。でも一流になる気がないならやめろ」という言葉は、今も胸に刻まれています。30年以上やったら天職といわれる中で、50年以上続けてこられたのは幸せなことです。

 ≪今春開催3都市マジックショー パフォーマーLUNAと父娘初共≫3月20日から「スーパー4Kマジックショー Mr.マリック超魔術団2024」を東京、滋賀、大阪の3都市で開催する。パフォーマンストリオ「D3」のメンバーとしても活躍する娘で歌手のLUNA(43)と初共演。「お客さんをとことんいじりまくる娘がつくり上げたエンターテインメントと、僕の一点集中型の超魔術は、真逆に位置しているけれど、融合させることで間口が広いショーになる」と確信している。観客参加型のプログラムでは、会場全員でマリックの代名詞でもあるスプーン曲げに挑戦する。「パッと曲がる瞬間は、好きなものをやる時に出る瞬発力。体感しに来て」と呼びかけた。

 ◇Mr.マリック(みすたー・まりっく)1949年(昭24)生まれ、岐阜県出身の75歳。88年に日本テレビ系のバラエティー番組「11PM」でテレビデビュー。唯一無二のパフォーマンスは「超魔術」と注目され「きてます」「ハンドパワー」などの決めゼリフは流行語に。芸名は「マジック」と「トリック」を合わせた造語。

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