指揮者の小澤征爾さん死去 AP通信も世界に報じる「128年の歴史で最も長く指揮を執った」

2024年02月09日 19:59

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指揮者の小澤征爾さん死去 AP通信も世界に報じる「128年の歴史で最も長く指揮を執った」
小澤征爾さん Photo By スポニチ
 世界的な指揮者の小澤征爾(おざわ・せいじ)さんが6日、心不全のため東京都内の自宅で死去した。88歳。旧満州生まれ。
 ボストン交響楽団やウィーン国立歌劇場の音楽監督を日本人で初めて務めた世界的な指揮者だけに、AP通信もすぐに打電。「Acclaimed Japanese conductor Seiji Ozawa dies at age 88」(有名な指揮者、小澤征爾さんが88歳で死去)の見出しで報じ、「World-renowned conductor」(世界的に有名な指揮者)とも紹介した。

 記事では、ボストン交響楽団で1973年から2002年まで、ボストン交響楽団の128年の歴史の中で最も長く指揮を執ったと報じた。米国で放送される優れたテレビドラマ、番組、テレビ業界の功績に与えられるエミー賞を2度獲得していることも伝えた。

 小澤征爾さんは1935年(昭和10年)生まれ。成城学園中時代にラグビー部に所属する一方でピアノを学んだが、ラグビーで大けがをしたため、ピアニストを断念。高校に進み、桐朋学園短大の斎藤秀雄氏に指揮を学んだ。

 短大卒業後、群馬交響楽団で指揮をはじめたが、59年に貨物船に乗って単身フランスに渡った。数々のコンクールで優勝し、61年にニューヨーク・フィルハーモニックの副指揮者に。ここで指揮者のレナード・バーンスタインに師事。NHK交響楽団を経て、シカゴ交響楽団で代役ながら音楽監督を務め、音楽祭を成功に導き、その名が知られるようになった。

 トロント交響楽団の指揮者、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督を務めた後、73年に米国の5大オーケストラの1つ、ボストン交響楽団の音楽監督に就任。ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロンドン交響楽団などを定期的に指揮しており世界的指揮者としての活躍を続けた。

 2016年2月に自らが指揮をする歌劇「こどもと魔法」(ラヴェル作曲)を収録。同年、母校の成城大では初の名誉博士号を、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団からは名誉団員の称号を贈られた。

 2000年代に入って体調を崩すことが多くなり、05年に白内障の手術を受け、10年には食道がんが見つかり治療に専念し、活動をキャンセル。食道全摘出手術を受け、復帰し精力的に活動を続けていたが、ファンの間では体調が懸念されていた。

 長女はエッセイストの小沢征良さん、長男は俳優の小澤征悦。

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