小澤征爾さんが9年前に語っていた人生を変えた瞬間 愛するラグビーと初めて見たオーケストラ

2024年02月09日 21:45

芸能

小澤征爾さんが9年前に語っていた人生を変えた瞬間 愛するラグビーと初めて見たオーケストラ
2013年、カージナルスとのワールドシリーズ第1戦の試合前にレッドソックスの田沢純一(左)、上原浩治(右)の激励に訪れた小澤征爾氏(共同) Photo By 共同
 6日に心不全のため88歳で亡くなった指揮者の小澤征爾さん。15年にアメリカ文化に貢献した人物に与えられるケネディ・センター名誉賞をジョージ・ルーカスらとともに受賞した際、米メディアに指揮者になった思いがけない理由を熱く語っていた。
 子どもの頃はピアニストを目指していた小沢さん。しかし、中学生の頃に転機が訪れた。「15か16歳だったと思います。当時はラグビーをやっていたんです。とても危険なスポーツなんですが、私はラグビーではとても重要な、ナンバー8というポジションでした」と、あまりラグビーを知らない米記者に丁寧に説明。続けて「ある日、とても重要な試合があって、そこで両手の指を2本骨折してしまったんです」と当時を振り返った。

 ピアニストとしては致命的な指の骨折。ピアノを弾くことができなくなってしまい、途方に暮れていた小沢さんだったが、ピアノの先生に「指揮者はどうだ?」と言われた。

 「だけど、当時はテレビもない時代です。だから指揮者を見たことさえなかった。実際のオーケストラさえ見たことがなかったんです。だから試しに見にいったんです」

 そのオーケストラが演奏していたのがベートーベンのピアノ協奏曲第5番。しかもピアノ奏者が指揮を兼ねるスタイルだった。「これだ!と思いました」と、指揮者を目指すきっかけとなった瞬間を語った。

 「ラグビーの負傷で人生が変わったんですね」と記者に問われ、顔を少し隠すようにテレ笑いを浮かべた小沢さん。しかし、すぐに茶目っ気たっぷりに「だけど、今でもラグビーは愛しています。それとアメリカンフットボールもね。ペイトリオッツのファンなんです。あと、ボストン・レッドソックスもね」と、30年近く慣れ親しんだボストンの地元チームへの愛情も思う存分語っていた。

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