【王将戦】藤井王将 好着想の▲2九竜 全軍躍動の駒運びで完勝

2024年02月09日 05:13

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【王将戦】藤井王将 好着想の▲2九竜 全軍躍動の駒運びで完勝
王将戦第4局第2日A図 Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局第2日 ( 2024年2月8日    東京都立川市・オーベルジュときと )】 【関口武史 明暗この一手】1日目藤井が▲5六銀と決戦を挑み迎えた2日目の朝、開封された封じ手は△4八飛成の飛車交換。そして一晩考えた菅井の方針は、△3二金と陣形を整えるバランス重視の穏便策だった。
 飛車の打ち込みを防がれた藤井は素早く▲3八馬と方向転換。遠く後手陣の王頭を狙いつつ自陣を引き締めた攻防の一手で応じる。菅井が△3六歩とけん制すると、藤井は▲5八金~▲6八金右と堅陣で対抗する。後手が手待ちを続けるようならば▲9八香から穴熊に発展する可能性を残しているのも見逃せない。

 待機策を取れない菅井は△1五馬~2六馬と入り戦機を探るが、▲4六銀が好手で藤井の有利を確かなものとした。△3六歩には▲4五桂と跳ねて△4四歩の一歩が足りない。序盤で失った一歩がここにきて響いてきた。仕方のない△3六馬だが、直後の▲1六飛がきめ細かい一手。続けて▲3三歩から▲2三飛と打ち、竜を作って▲2九竜(A図)と自陣に引きつけたのが印象深い。藤井は自陣深くに竜を配置することで菅井からの飛車の打ち込みをなくした上で馬を前線に繰り出し、自由に動きやすくしたのが好着想だった。

 構想通り▲3六馬と押し上げた局面、先手の全ての駒の連携が取れ、生き生きと輝いている。盤石の態勢を築いた藤井が、自陣の駒を一歩一歩敵陣に押し進めていく光景は圧巻。藤井は全軍躍動の駒運びで完勝、同時に王将位3連覇を達した。(スポニチ本紙観戦記者)

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