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お見事!2キロ弱&3キロ級秋マダイ 餌取りかわし技ありヒット

2024年11月04日 04:30

社会

お見事!2キロ弱&3キロ級秋マダイ 餌取りかわし技ありヒット
3キロに続き2キロ弱級を釣り上げた酒井さん。マダイの攻略法を追求し続けるベテランだ Photo By スポニチ
【博覧釣記】 秋の訪れとともに恋しくなるのが秋マダイだ。数、型ともに期待できるため「春の乗っ込み」と人気を二分するほど。中でも大型マダイに定評がある静岡県沼津・常勝丸に乗船。大型を目指し“鯛(たい)”。 (国友 博文)

 常勝丸の朝は、釣り座を決める恒例のくじ引きからスタートする。「釣れなくても場所のせいにはさせませんよ。気温も下がってきていい感じです」と鈴木茂船長はにこやかに話す。出船し淡島沖に出るとド迫力の富士山がお出迎え。手を合わせ「大型マダイを釣らせてください」と神頼みした。

 大型を狙うための準備は万全だ。ハリスは4号以上で長さは12メートルが基本で、ビシ側のハリスを6号程度に太くしたテーパー仕掛けにすれば、潮なじみが良くて経済的。ハリのチモトには集魚材を付けたり、ガン玉で仕掛けを重くしたり…秋の夜長の仕掛け作り。釣れるイメージが膨らみ準備数も自然と増えてしまった。

 ビシ80号にオキアミひとつかみを入れたら「始めましょう。タナは(海面から)55メートルです」とアナウンス。指示ダナが守れるか否かで、ヒットに大きな差が出る。指示ダナよりもビシを下げてしまわないように注意したい。マダイが警戒してしまうからだ。また、長い仕掛けをスムーズに投入するため足元を整理して、仕掛けを海水で湿らせておけばトラブルが少なくなるのでオススメ。

 鈴木船長からは「マダイ釣りはタナ取りとコマセワークに尽きる。さらに、餌を取られないことが大切です」とアドバイス。仕掛けを上げてみると付け餌が消えていたばかりか、2本ともハリがなくなっていた。フグの仕業だ。餌を取られないようハリのチモトに付けた集魚材を外し、仕掛けを再投入する。

 「ほら、食ったよ」との声に振り返ると、東京都八王子市の酒井正秋さん(70=自営業)の軟調子ロッドが根元から曲がり、竿先が海面に突っ込んでいる。内浦湾のマダイにほれ込み、20年以上にわたり、毎週通っているという酒井さんは「元気ですね。青物かな」。道糸が出ていく様子から、これは大物に違いない。長ハリスを手繰ってくると、赤い魚体がユラ~。3キロ級の良型マダイが顔を出した。「タナを少し上げて、コマセを出さないで食わせました」とはさすが。餌取りをかわしてゲットした価値ある1匹だった。2度目の当たりも酒井さんに!中オモリを付けた仕掛けで仕留めたのは、2キロ弱級の美しい魚体だった。これはお見事としか言いようがない。

 常勝丸のマダイ記録は12・5キロ。今年6月には9・7キロがヒットしており大物の実績十分。これからの季節、自己記録更新を目指したいなら逃す手はない。

《“正解”追い求め 竿頭は酒井さん》 竿頭に輝いた酒井さんは、常に仕掛けを変え追求し続けている。マダイ釣りを「正解はありません。その日に釣った人が正解です。いろいろ試して正解に近づけるんです」。下船後にお礼を述べて帰ろうとすると「まだ終わりません。夜タチウオ船に一緒に乗りましょう」とは恐るべし。

 ▼アドバイス コマセ、付け餌はオキアミを使用するが、オキアミ選びがマダイの釣果を左右する。鮮度が良くて色鮮やか、両目があり、プリッとしたおいしそうな物を選ぶと良い。尾をハサミでカットしたら、ハリを真っすぐ丁寧に通してハリ先を出す。大きい餌はアピール抜群だし、小さい餌はコマセと同調させるので効果的。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、沼津・常勝丸=(電)055(941)3163。出船時間は午前6時と午後0時半。乗合料金は餌・コマセ・氷付き1万1000円。夜タチウオ船も出船中。

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